付置されるはずのエアコンを後で取り付けた工事の瑕疵等
Q.ご相談内容
購入した中古マンションのリノベーションについて相談です。
4台のエアコンが付けられるとなっていましたが、実際エアコンが付けられる状態は2台分の隠蔽配管のみ。売主さんにお話し、改めて工事をしていただいました。後から無理にエアコン設置をできるようにした為、柱型ができたり、あまり見栄えの良くない点検口ができたり、今更換気口もあった方が良いと換気口ができてたり、、。契約時の間取りと大分変わってしまい不満が残りました。
更に隠蔽配管がきちんとできておらず、エアコンの室内機の水が滝のように!こちらも直して頂きましたが、点検口のまわりがカビだらけ。見える所は拭いて頂きましたが、見えない所がどうなっているのか心配です。数年後にカビが表面に出てきたら、私が修理しないといけないのでしょうか。業者さんはカビ処理をしてあるので出てくることはないと思いますと。目視で確認をしてほしいのですが、壁を壊してまでは確認してくれません。
何か法的に訴える事が出来るのでしょうか。
エアコンが水漏れで使えなかった暑い時期に寝不足になった事なども慰謝料の対象になるのでしょうか。
A.東急リバブルからの回答
4台のエアコンがつけられると謳われていた(約束されていた)中古マンションを購入されたということであれば、本来、売主の瑕疵担保責任あるいは債務不履行責任に基づき、残りの2台分についてエアコンを設置できるような修繕代相当について損害賠償請求を行使できますが、既に修繕工事は売主負担にて終了しているとのことですので、
⓵壁を壊して配管の内部の目視を求めることができないか
⓶将来のカビの心配について何らかの手だてができないか
⓷エアコンが使えないときの寝不足についての慰謝料の請求ができるか
について、回答いたします。
⓵について
売主(業者)はカビ処理をしてあるということで拒絶しているようですが、買主の方で独自に壁を壊すなどして目視検査までした場合の費用請求まで認められるかはなかなか難しいでしょう。カビ処理が不十分であれば別にして、カビ処理をしているにもかかわらず、費用の壁を壊して目視検査するまでの必要性があるのか問題になるからです。
⓶について
将来カビが出た場合は、カビ発生により生じた損害について損害賠償請求が可能ですが、期間制限があります(事業者以外の方から購入した場合は、一般には瑕疵担保責任なら1年、損害賠償責任なら10年。契約書の特約で短い年数になっている場合もありますのでご確認ください)。また、将来のカビ発生の原因が、今回の工事が原因であると特定が必要ですが、難しいことも多いでしょう。
⓷について
寝不足についてはその事実の立証が必要ですが、寝不足の原因については様々であり、エアコンが原因との特定は困難であることと、寝不足の程度も様々ですから、仮に認められても相当に低い水準の慰謝料ではないでしょうか。
以上のとおり、法律的にはなかなか難しい主張と考えざるを得ないと思います。
その他、仲介業者がいる場合はエアコンの設置について、説明義務違反などの何らかの請求ができる場合もありますので、無料の弁護士相談などを活用されてみるのもよろしいかと存じます。
ご相談への回答について
「不動産なんでもネット相談室」は、実際にお客様より相談いただいた内容に、東急リバブルが中立的な視点で回答した内容を記載しております。不動産に関してご不明点がありましたらご参考ください。