土地に埋まっていた浄化槽に関する契約不適合責任について教えてください。
Q.ご相談内容
住替えの為20年以上住んでいた土地・建物を2500万円で売却しました。
買主が建物を解体したところ、土地に埋蔵物があることが発覚。7ミリ×6ミリ、深さ4mのピット、昭和30年代に浄化槽として使用していたものと思われます。ピットの中には、コンクリート塊、土、その他廃棄物等。かなり悪質なものです。
買主は、私共の負担で全面撤去を求めていますが、近隣の地盤沈下の恐れも有る等、かなりの難工事で費用も1000万円近い見積が出ています。
工事方法及び金額について、買主と話合が続いていますが、平行状態です。
契約不適合責任全面免責の特約は付けていないのでこちらに義務があるのはわかりますが、1000万円はとても負担し兼ねます。
また、私共はこの物件を25年前に建売住宅として購入し、この埋蔵物の存在は全く知りませんでした。
但し、当時の売買契約書は残っていますが、重要事項説明書は残っていないので、埋蔵物についての記載があったかどうかはわかりませんが、説明を受けた記憶はありません。
この場合、私共が購入した時の売主(建売業者)に対して、撤去工事費用の負担を求めることは出来るでしょうか?
当時の契約不適合責任を問うには、消滅時効が成立していると思いますが、民法上の「不法行為は発見から1年」という規程は摘要出来ないでしょうか?
A.東急リバブルからの回答
まずは、消滅時効の点ですが、かつて最高裁判所が、「契約不適合責任に基づく損害賠償請求権も引き渡しから10年の消滅時効にかかる」と判示しています。 その理由は、契約の内容に適合しないものの事実を知ってから1年は契約不適合責任に基づく損害賠償請求ができるとすると、買主が契約の内容に適合しないものを覚知しなければ、事実上永久に売主は賠償責任を負うことになり、売主に過大な負担をかけることになるからです。 よって、お尋ね点の回答は、適用できない、ということになります。
そもそも買主側から出てきた見積額は大きすぎないでしょうか。ご自信でも独自でお見積もりを取られてみてはいかがでしょうか。 また、この見積もりが正しいと仮定して、本契約を解除するという方法も考えられます。まず、ご相談者様側からの一方的な解除については、買主側に何らかの過失がない限りは難しいです。したがいまして、相手方に契約の解除を提案をし、両者合意のもと解除をすることを検討することになります。 ただ、これについても、相手方が了承しない限りは難しいですし、本契約の解除までにかかった費用や、返金する売買金額に利息を付けることを要求される可能性もあると思います。
上記のとおり、法的に消滅時効や解除を主張するのは難しいので、本件では見積額について争うのが取りうる一番良い方法だと思います。しかし、どういう方法にせよ金額が大きいですし、お近くの無料法律相談などを活用されて、専門家に対応を相談されるべきかと存じます。
ご相談への回答について
「不動産なんでもネット相談室」は、実際にお客様より相談いただいた内容に、東急リバブルが中立的な視点で回答した内容を記載しております。不動産に関してご不明点がありましたらご参考ください。