隣地の売却に係る、共有の塀の扱いについて相談です。
Q.ご相談内容
隣家の親戚が家を売ることになりました。
境界線上の共有財産である1㍍足らず塀を撤去し、それぞれの敷地に塀を、と提案をしたところ、拒否されました。境界線上のまま、高さを足すとのこと。
誰が買うかわからない家。この際、境界線で区切りたいと思いますが、無理ですか?家裁の調停にかけても、民法上、私が負けると言われました。そういうものですか?
A.東急リバブルからの回答
隣地との共有財産である塀への対応についてですが、民法上は、「他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」とされております。また、共有物の「保存行為は各共有者がすることができる。」とされております。
今回高さを足すという行為が、共有物の変更にあたるのか、いわゆる保存行為なのかについてですが、たとえば塀が倒れそうなのでその補修をするという目的で高さを足すということであれば保存行為となりますので、隣地の同意なく、行うことができますが、今回そのような事情がないのであれば、法的には共有物の変更とされる可能性が高いと思われます。
そうだとすると共有者同士の同意がない限り勝手に行うことができません。ただ、これは塀を破壊することも同じで、破壊することは紛れもなく、「共有物の変更」となりますので、隣地の同意が必要となります。つまりどちらかが妥協しない限りは塀は今のままにしておく以外ないということになります。
そこで、調停ということになりますが、調停に行った場合にどうなるかは難しいところではありますが、調停という場はどちらの言い分が正しくて、勝ち負けを決するという場では基本ありませんし、そもそも、相談者様側が負けるという理屈は存在しないと思います。
一度無料の法律相談などで、弁護士にご意見を伺ってみてもよいかと思います。
ご相談への回答について
「不動産なんでもネット相談室」は、実際にお客様より相談いただいた内容に、東急リバブルが中立的な視点で回答した内容を記載しております。不動産に関してご不明点がありましたらご参考ください。