Q.土地に埋まっていた浄化槽に関する契約不適合責任について教えてください。
A.まずは、消滅時効の点ですが、かつて最高裁判所が、「契約不適合責任に基づく損害賠償請求権も引き渡しから10年の消滅時効にかかる」と判示しています。 その理由は、契約の内容に適合しないものの事実を知ってから1年は契約不適合責任に基づく損害賠償請求ができるとすると、買主が契約の内容に適合しないものを覚知しなければ、事実上永久に売主は賠償責任を負うことになり、売主に過大な負担をかけることになるからです。 よって、お尋ね点の回答は、適用できない、ということになります。 そもそも買主側から出てきた見積額は大きすぎないでしょうか。ご自信でも独自でお見積もりを取られてみてはいかがでしょうか。 また、この見積もりが正しいと仮定して、本契約を解除するという方法も考えられます。まず、ご相談者様側からの一方的な解除については、買主側に何らかの過失がない限りは難しいです。したがいまして、相手方に契約の解除を提案をし、両者合意のもと解除をすることを検討することになります。 ただ、これについても、相手方が了承しない限りは難しいですし、本契約の解除までにかかった費用や、返金する売買金額に利息を付けることを要求される可能性もあると思います。 上記のとおり、法的に消滅時効や解除を主張するのは難しいので、本件では見積額について争うのが取りうる一番良い方法だと思います。しかし、どういう方法にせよ金額が大きいですし、お近くの無料法律相談などを活用されて、専門家に対応を相談されるべきかと存じます。