渋谷区について
都心各区の多くが江戸時代から武家屋敷、町人地として発展してきたのに対して、渋谷区は代官や村役人が支配する郊外地でした。1932年には渋谷区が成立しましたが、童謡「春の小川」の歌詞がここで生まれたほど、のどかな雰囲気を残していたといわれています。現在の小田急線代々木八幡駅近くにその歌碑が残されています。
渋谷区といえば、ビジネス、ショッピング、ファッションなどの中心地といったイメージが強いかもしれませんが、明治神宮、代々木公園などの大きな緑地があり、渋谷区に属する新宿御苑の一部まで加えれば、区域全体の10分の1を緑地が占めています。
繁華街から少し離れると人気が高く、とくに渋谷駅近くの松濤、南平台町、代々木上原などは都心とは思えない閑静な住宅地が残されています。松濤には渋谷区立松濤美術館、戸栗美術館などもあり、文化の香り漂う住宅地ですし、南平台は歴代首相などが邸宅を構えた古くからの高級住宅地として知られています。
さらに、広尾はかつて麻布区に属し、現在でも麻布エリアと隣接する高級住宅地であり、なかでも広尾二丁目、三丁目の高台は人気が高いようです。
渋谷区の中心はいうまでもなく渋谷駅周辺ですが、同駅にはJR山手線のほか、東急東横線、田園都市線、京王井の頭線、東京メトロ銀座線・半蔵門線・副都心線が乗り入れ、新宿駅に次ぐ乗降客数を誇る巨大ターミナルです。
周辺には大規模商業施設の有名店が集積、ファッションやグルメなどのトレンド発信地となっていますが、東京メトロ副都心線の開業、東急東横線の地下化による相互乗り入れ、渋谷ヒカリエのオープンなど、目まぐるしい変貌を遂げています。
東急東横線の線路跡地へは、2018年に渋谷ストリームが開業。2019年には、渋谷パルコ・渋谷フクラス・渋谷スクランブルスクエアなどがオープンしました。
街だけではなく、鉄道の整備も進んでおり、東京メトロ銀座線やJR埼京線のホームの移設が完了しています。
他方、駅前広場や自由通路整備などの再開発事業も進められています。これらの事によりいっそう集客力が高まり、渋谷区内の周辺エリアにも好影響を与えるのではないかと期待されています。
渋谷駅周辺に連なる原宿、表参道は隣接する港区の青山と一体となり、ファッションの中心地になっていますし、代官山や恵比寿も商業施設やファッション関連の産業が集積しています。なかでも恵比寿はもともと下町的な雰囲気を残すなかに、恵比寿ガーデンプレイスをはじめとする大規模開発が行われ、ビジネス、ショッピングに加えてマンションなどの建設も進み、独自の街並みが形成されています。
2020年9月更新
※上記は2020年9月現在の情報です。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承ください。