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移転工事

読み:いてんこうじ

建築物の移転とは、原則として建築物そのものには手を加えず、解体等せずに場所を移動することを指す。移動する手段として、ジャッキアップ、ころ、レール等を用いた「曳家」がある。

建築基準法上は、第2条(用語の定義)第13号に、新築増築改築とともに掲げられており、建築行為の一種である。防火地域または準防火地域外で、移転に係る床面積が10平方メートル以内であるときは、建築確認申請を要しない(同法第6条第2項)。同一敷地内で移転する場合には、従来から、既存不適格建築物に対する制限の緩和(同法第86条の7)が適用され、確認申請を要しなかったが、既存ストックの有効活用を図った2014(平成26)年の建築基準法改正により、他の敷地へ移転する場合でも、特定行政庁が交通上、安全上、防火上、避難上、衛生上及び市街地の環境保全上支障がないと認める場合には、既存不適格建築物に対する制限の緩和が認められ、改めて確認申請をする必要がなくなった(同法第86条の7第4項、同法施行令第137条の16の新設)。



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