使用貸借
読み:しようたいしゃく
動産や不動産を有償で貸し付ける契約が「賃貸借契約」であるが、無償で貸し付ける契約は「使用貸借契約」と呼ばれる。
使用貸借契約については、借地借家法が適用されず、民法第593条から第600条が適用される。また無償で貸し付けているため、使用貸借契約においては、貸主は原則としていつでも借主に対して契約を解除し、物の返還を要求することができる(ただし、存続期間を定めているときはその期間が満了するまで、使用及び収益の目的を定めたときは借主がその目的に従い使用及び収益を終えるまでは物の返還を要求できない)(民法第597条・598条)。
実際には使用貸借契約は、会社とその経営者の間で締結されたり、親子間で締結されることが多い。また契約書が存在せず、口約束で行なわれることも多い。
例えば会社の経営者が、個人名義の土地の上に会社名義の建物を建築するケースや、親名義の土地の上に子名義の建物を建築するケースなどである。
なお税法上の相続財産評価においては、使用貸借契約により土地を貸借する権利の経済的価値はゼロと評価されている。