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MARKET REPORT マーケットレポート by 東急リバブル ・プロパティスタ

2021, 11/01

  1. コロナショック後も回復の兆し!?
    2021年基準地価発表

    9⽉21⽇に、⼟地を取引する時の⽬安となる2021年の「基準地価」が発表されました。⼟地の値段は「⼀物四価」と呼ばれ、地価を評価する場合に、
    実勢価格、公⽰地価・基準地価、相続税評価額(路線価)、固定資産税評価額の4つの価格があることを表しています。

     公⽰地価は適正な地価の形成に役⽴てるために国が公表しているもので、⼀般的な⼟地取引の際の指標や、公共事業の取得価格の規準となっています。基準地価の⽬的は公⽰地価とほぼ同じで、調査の主体が都道府県となります。路線価は国税庁が相続税や贈与税の算出のために決めている⼟地の価格です。固定資産税評価額は、名前の通り固定資産税を算出する際に活⽤する価格です。

     図表が⽰すように、路線価や固定資産税評価額は、⼀般的には公⽰・基準地価よりも低い評価になっています。⼟地の税⾦に関するこれらの価格が時期によって不当に⾼くならないようにするためです。

    ⼀物四価のイメージ(都市部のイメージ)|図表


     それでは、2021年の基準地価について⾒ていきましょう。下のグラフは、住宅地における基準地価変動率の推移を⽰しています。新型コロナウィルス感染拡⼤前の2019年までは、⼤都市の基準地価は上昇を続けていました。全国平均も、地⽅都市における地価下落の影響で、マイナスが続いているものの、2019年はマイナス0.1%と回復傾向にありました。しかし、2020年以降は、マイナスに転じるエリアがあったり、上昇率が⼤きく下落するエリアがあったりと新型コロナウィルスの影響を受けたような状況と⾔えます。

    基準地価(住宅地)変動率の推移|図表


     前述の通り、今回発表された基準地価は、「⼟地取引の指標」となるという点で地価公⽰と同じですが、いくつか相違点があります。例えば、調査時期です。公⽰地価は1⽉1⽇時点、基準地価は7⽉1⽇時点の価格であるため、基準地価はしばしば公⽰地価を補完するものとして活⽤されます。また、多くの場合で標準地と基準地が異なるため、結果として基準地価が公⽰区域外の⼟地を評価しているケースもあります(共通地点1625:22年度分)。
     このように若⼲異なる指標となる公⽰地価と基準地価ですが、その推移をを⾒ると、基準地価の⽅が上昇や下落が地価公⽰よりも先⾏しているように⾒えます。

    グラフの通り2021年の住宅地基準地価は、マイナスであるものの、下落幅は2020年よりも若⼲⼩さくなっているので、来年3⽉に公表される地価公⽰でも、もしかしたら、明るい兆しを感じることが出来るかもしれません。

    公⽰地価と基準地価 住宅地変動率の⽐較(全国)|図表
  2. 再び上昇局⾯にある⾸都圏の投資⽤マンション

     ⾸都圏の投資⽤マンションは、マンション適地が多く放出されたことに加えてや不動産投資への関⼼が⾼まったことを背景に1990年代後半から2000年代半ばにかけて供給⼾数を伸ばしました。2007年には224物件、9,210⼾と初めて9,000⼾を突破しました。しかし、2008年のリーマンショックを機に数は減少に転じ、更に、地価の⾼騰や⽤地不⾜も加わり減少は加速。また、この頃から「ワンルームマンション規制」を始める⾃治体が増えて来ました。

     これは、新たなワンルームマンションの建築許可について、⼀定の条件を求めるなどの建築規制をするもので、背景の⼀つとして、住⺠税の徴収が難しい単⾝者や納税額の少ない若い世代が住むワンルームよりも、収⼊レベルが⾼くかつ⻑期間定住するファミリー世帯を誘致するほうが、より多くの財源を確保できるという⾃治体の思惑があります。こういった規制などもあり、投資⽤マンションはリーマンショック前の⽔準に戻ることなく、推移している状況です。

    ⾸都圏投資⽤マンション発売⼾数|図表


     次に、価格について⾒ていきましょう。発売平均㎡単価は、2012年頃から上昇を続けています。2012年の平均㎡単価が96.8万円だったのが、2020年には120万円と20万円超の差がありました。とはいえ、⾸都圏の不動産価格⾃体、近年上昇が続いています。右上のグラフは、⾸都圏の中古マンション、新築分譲マンションの価格が2009年を100とした時にどれくらい上昇しているかを表すグラフです。実需の中古マンションや新築マンションの⽅が投資⽤マンションよりも価格の上昇が激しいのがよく分かります。

    ⾸都圏投資⽤マンション平均㎡単価・2009年=100とした時の価格推移|図表⾸都圏投資⽤マンション平均㎡単価・2009年=100とした時の価格推移|図表⾸都圏投資⽤マンション平均㎡単価・2009年=100とした時の価格推移|図表

     ⾸都圏では、引き続き賃貸需要も根強く、家賃も上昇傾向にあるため引き続き投資⽤マンションの上昇圧⼒が働くと予想されます。

  3. 東証REIT指数(オフィス・住宅・商業物流等)

    東証REIT指数(オフィス・住宅・商業物流等)

    東証REIT指数は、東京証券取引所に上場している不動産投資信託(JREIT)全銘柄を対象とした時価総額加重平均型の指数です。
    流動性の低い実物不動産に⽐べ、REITは流動性が⾼いため、その指数は、【不動産価格の先⾏指標】という性質を持っていると⾔えます。
    ここでは、全体(緑)と住宅REITのみ(⻘)の2つを掲載しています。

    東証REIT指数|図表
    データ解説

    東証REIT指数はこのところ上昇を続けておりましたが、9月は少し落ち込みました。また、住宅指数も落ち込みが見られましたが、落ち込み加減はやや少なくなっています。

  4. 賃貸住宅の期待利回りの推移

    賃貸住宅(ワンルーム)の期待利回り推移

    期待利回り=キャップレート:投資家が不動産から期待する収益性(利回り)のこと。
    賃料⼀定のもとでは、キャップレートの低下は投資不動産価格(ここではワンルームマンション)の価格上昇を意味します。

    (ここで想定するワンルームは以下の通りです)
    交通アクセス:最寄り駅から徒歩10分以内
    築年数:5年未満
    平均専用面積:25~30㎡
    総戸数:50戸程度
    城南地区(目黒区、世田谷区)渋谷、恵比寿駅まで15分以内の鉄道沿線
    城東地区(墨田区、江東区)東京、大手町駅まで15分以内の鉄道沿線

    賃貸住宅(ワンルーム)の期待利回り推移|図表
    データ解説

    キャップレートで見ると投資ワンルームマンションの価格は、コロナショックの影響が全くと言っていいほど見られませんでした。東京都心ワンルームマンションのキャップレートは、かなり低い状態が続いています。旺盛な投資家心理の現れでしょう。(次回の公表は11月下旬見込み)

  5. ⾸都圏 中古マンションの成約状況

    首都圏 中古マンション成約状況

    ⾸都圏中古マンション成約状況:レインズに登録された成約物件情報を集計し、公表したものです。
    新築マンションの同データでは、ブレが⼤きいため、マンション市況を現状分析する時は中古マンションデータを⾒る⽅が分かりやすいとされています。

    首都圏中古マンション成約状況|図表首都圏中古マンション成約状況|図表首都圏中古マンション成約状況|図表
    データ解説

    首都圏における中古マンションの成約㎡単価は大きく上昇しています。東京の都心中心部では横ばい基調にありますが、それ以外の東京23区、首都圏とも過去最高水準にあります。

  6. 新設住宅着⼯⼾数

    新設住宅着工戸数

    新設住宅着⼯⼾数とは、新たに建てられた住宅に関する統計で、建築主から都道府県知事に提出された建築⼯事の届出が毎⽉集計され、国⼟交通省から当⽉分が翌⽉末に発表されます。持ち家=所有する⼟地に住宅建築を⾏うもの、貸家=賃貸⽤のための住宅、分譲=分譲マンションと分譲⼾建(⼟地+建物)の合計です。

    新設住宅着工戸数|図表新設住宅着工戸数|図表新設住宅着工戸数|図表新設住宅着工戸数|図表新設住宅着工戸数|図表新設住宅着工戸数|図表
    データ解説

    新設住宅着工戸数は昨年の反動もあり、前年同月比プラスが続いています。この傾向はしばらく続くものと思われます。

  7. 不動産価格指数(区分所有マンション)

    不動産価格指数(区分所有マンション)

    不動産価格指数:不動産価格指数は、全国の住宅に関して、国⼟交通省が実施する「不動産の取引価格情報提供制度」により蓄積されたデータを活⽤し、「個別物件の品質」を調整したうえで、算出・推計した指数です。

    不動産価格指数|図表
    データ解説

    全国でみる区分マンションの不動産価格は上昇が続いています。ここに来て指数の上昇幅が大きくなっています。しばらく、天井を伺う様相が続きそうです。

  8. 各種金利の推移



    基準割引率・基準貸付利率

    ⽇本銀⾏が、個別の⾦融機関に対して資⾦を貸し出す際の基準⾦利のことです。2006年に「公定歩合」から「基準割引率および基準貸付利率」に名称が変更され、基準貸付利率は短期の市場⾦利の事実上の上限としての役割を担うようになっています。(出典)⽇本銀⾏HP

    長期国債(10年):

    償還期間が10年の国債の金利。月末の数値を採用しています。(出典)財務省HP

    フラット35:

    返済期間21年以上の金利(融資金額9割以下) で、最多金利を採用しています。(出典)住宅金融支援機構

    賃貸住宅融資(35年):

    賃貸住宅用の長期固定ローン金利です。前月下旬の金融情勢などに基づき金利を決定したと想定した場合の参考金利で、2カ月後に住宅金融支援機構債券の利回り、その他のコストを加味して決定される予定の金利が適用され、金融情勢の変化などによって金利が変更となる場合もあります。(出典)住宅金融支援機構

    各種金利の推移|図表
    データ解説

    史上最低水準の低金利が続いています。10月末に発表された日銀の金融政策決定会議でも、まだしばらく金融緩和政策を続けることが発表されました。少なくとも22年中は低金利が続きそうです。

ご留意事項
※不動産投資はリスク(不確実性)を含む商品であり、投資元本が保証されているものではなく、元本を上回る損失が発⽣する可能性がございます。
※本マーケットレポート に掲載されている指標(例:利回り、賃料、不動産価格、REIT指数、⾦利など)は、不動産市場や⾦融市場の影響を受ける変動リスクを含むものであり、これらの変動が原因で損失が⽣じる恐れがあります。投資をする際はお客様ご⾃⾝でご判断ください。当社は⼀切の責任を負いません。
※本マーケットレポートに掲載されている情報は、2021年10⽉18⽇時点公表分です。各指標は今後更新される予定があります。
※本マーケットレポートに掲載した記事の無断複製・無断転載を禁じます。

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