マーケットレポート
マーケットレポート2023, 05
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首都圏中古マンションの登録から成約までの日数
中古住宅の売主にとって、自身の物件がどのくらいの価格で取引されるのかは非常に重要になりますが、これに加えて、「買い替え」では、売却のタイミングも非常に重要になってきます。多くの場合、次の住宅の購入資金(またはその一部)を、所有住宅の売却金額で賄うことが多いからです。今回は、首都圏中古マンションの「登録から成約までの日数」のデータを深堀していきましょう。
半年ごとの推移(東京圏)とTOPIXの推移
上のグラフは、東日本レインズに登録されている物件が成約されるまでの平均日数の推移を追ったものです。中古マンション、中古戸建ともに、2020年までは成約までの日数が長期化傾向にありましたが、2021年以降は一気に短縮化されています。
また、全体を通して中古マンションの方が、中古戸建よりも成約までの日数が短いことが分かります。成約数や新規登録件数、そもそも需要が中古マンションの方が多いことに加えて、戸建は類似物件が多いマンションと比較すると個別性が高いため、成約日数が長くなる傾向にあります。
しかし、コロナ後は戸建回帰の潮流が見られたため、戸建ての需要が高まり、成約日数に短縮傾向が見られました。一方、中古マンションも、戸建てほどではありませんが、成約までの日数が短くなる傾向になり、2020年に比べると、2022年は約2週間期間が縮小しており、71.4日でした。
首都圏中古マンション成約までの日数と成約㎡単価
成約までの日数と成約㎡単価を比較してみましょう。遡及が可能な2008年からのデータ全体の相関係数は0.42で中程度の相関関係になりました。2008年から2020年までの期間に限った場合、相関関係は0.66と数値が高くなっています。相関関係があるということは、成約価格が高い時は成約までの日数は長期化する傾向があるということです。売り手としては「できるだけ早く」「できるだけ高く」売却したいという思惑がありますが、実際の売買データを検証すると、両者の両立はなかなかしづらい状況と言えます。しかし、2021年以降は、日数は短縮化し成約価格は10%前後で上昇していることから、売主にとっては、良い状況であると言えます。
ただ、昨今は新規登録件数も増えていることから、この状態が続くとは言い切れません。売主の方は、価格なのか時期なのか、優先順位を付けることが重要と言えそうです。
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