マーケットレポート
マーケットレポート2024, 1
2024年1月16日時点公表分ダウンロードDOWNLOAD
日本の不動産は海外投資家は
どのように評価されている?
11月30日に(財)日本不動産研究所より国際不動産価格賃料指数が発表されました。国際不動産価格賃料指数は、国際的な主要都市の不動産市場動向を調査するため、対象都市の調査物件について価格・賃料を指数化したもので、各国の不動産市況について国際的な比較が可能となります。早速最新の2023年10月地点の調査結果を見ていきましょう。
国際不動産価格指数
右のグラフは各都市の高級住宅を想定した際の、価格指数の推移です。東京は前回調査よりも+1.2%、大阪は+2.7%で、日本の2都市が調査対象地域15都市の中で最も変動率が高い結果となりました。地価や建築費の上昇が指数にも反映されたようです。特に大阪府は、海外投資家からの投資熱が高いと言われています。円安という好条件の中で、大阪の不動産は東京に比べて割安感があります。また、2025年の大阪万博やカジノを含むIR(統合型リゾート)の開業を控えていることへの期待感も後押ししています。
国際不動産賃料指数
次に賃料指数を見ていきましょう。大阪では家賃水準が上昇していますが、東京はほぼ横ばいとなっています。一方でニューヨークは価格指数の上昇とともに賃料指数も上昇しています。これは、アメリカでは賃貸契約において物価に家賃が連動する仕組みがあるからです。そういったものがないので、日本の賃貸市場では賃料の硬直性が高いのが特徴的と言えます。
ただ、賃料は遅効性があるので、物価上昇に遅れて家賃も上昇してくる可能性があります。実際に、直近の消費者物価指数でも、家賃上昇の傾向が見られるようになりました。
日本の不動産はもともと海外の投資家から見ると、「安定的な投資先」と映っているようです。日本は経済的にも政治的にも、他のアジアの国々よりも安定感があるからでしょう。今回の国際不動産価格賃料指数では、さらに日本の不動産の割安感が感じられました。東京都港区・元麻布のマンション価格を100とした際、大阪は67.5、ソウルは86.5で東京よりも割安になっていますが、北京は127.2、上海は160.7、香港は263.4、台北は160.7、シンガポールは137.3と、東京に比べてかなり割高になっています。
現在は円安が後押しをし、海外投資家からの投資熱がさらに高まっています。このような状況が続けば日本の不動産市場はさらに活況が続いていくでしょう。
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