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マーケットレポート2024, 6
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空き家の実態。都市部の空き家率は減少基調?
5年に1度の「住宅・土地統計」が2023年に行われ、2024年4月30日にその速報集計結果が総務省より公表されました。「住宅・土地統計」は国の基幹統計の1つで、住宅や土地利用等の政策立案の元になるものです。調査内容は住居形態、土地利用状況、所有関係など多岐にわたりますが、速報ではこのうち全国と都道府県の総住宅数と空き家数などが先行して公表されました。ここでは速報の中から空き家数について解説します。
空き家数及び空き家率の推移・予測の比較
空き家数は総住宅数6502万戸のうち900万戸でした。前回調査では849万戸でしたので、51万戸増加したことになります。空き家率で見ると13.8%でした。前回調査は13.6%で、2013年の前々回調査が13.5%でしたので、この10年間ほぼ横ばいということになります。ただ、1993年からの30年で見れば、実数が増えていることが顕著で約2倍となっています。
2013年の調査結果を受けて民間のシンクタンクが将来の空き家数の予測を発表し、それをメディアが大きく取り上げました。それによれば23年の空き家率は21.0%(実際は、13.8%)空き家数は1394万戸(実際は900万戸)でしたので、この予想からは大きく乖離しており、「予想以上に空き家は増えていない」ということになるでしょう。
空き家にカウントされる住宅は、4つのカテゴリーに分かれます。①賃貸住宅の空き家(=空室)、②売却用住宅の空き家(=未売却)、③2次的住宅(別荘や仮眠所など)、そして問題とされる④長期不在の住宅です。この最後の④は、これまでは「その他の住宅」という分類でしたが、今回調査結果からは、「賃貸・売却及び2次的住宅を除く空き家」という呼び方に変更されました。
空き家問題とされているのは、先に述べた④の長期不在の住宅が増えていることを意味します。今回の調査では385万戸で総住宅数に占める割合は5.9%となっています。前回の調査では349万戸(5.6%)でしたので、37万戸増えたことになります。
都道府県別にみれば、最も④の割合が少ないのは東京都で2.6%(前回調査では2.3%)、続いて神奈川県で3.2%(前回調査では3.3%)、続いて沖縄県4.0%(前回調査では4.1%)、福岡県4.6%(前回調査では4.9%)となっており、人口が増えている地域や大都市部では④のカテゴリーに該当する空き家の割合はかなり少なく、前回調査より割合が減少している県も4県あります。その一方で人口減少が顕著な地域では④の空き家率は上昇しています。
このように、都市部などでは④のような空き家増加には歯止めがかかっているようです。その背景として、空き家対策特措法が15年に制定され特定空き家(放置すれば倒壊などの危険が考えられる空き家)に対する対応が強化されており、その効果が出ていることが考えられます。加えて、都市部では再開発が進み、空き家を含めた一体開発が進んでいること等が要因と考えられます。
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