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マーケットレポート2024, 11
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東京23区の住宅に占める借家率は?
5年に1度行われる「住宅・土地統計調査」の最新版が9月25日に公表されました。今回の調査「第16回:令和5年調査」は令和5年10月に調査が実施され、確定値が公表となりました。この調査は、国の基幹統計調査で、国民の住まい(住宅)に関する多岐にわたる調査が行われています。この調査の中から、今回は「持ち家」比率と「借家」の状況について解説します。「持ち家」は3387万6千戸で、総住宅数に占める割合である「持ち家比率」は60.9%となりました。2018年の前回調査からは0.3ポイント低下しましたが、1993年からの30年間(7回分の調査)をみれば、ほぼ60%(最小59.8%から最大61.7%)と横ばいが続いています。全国的にみれば、持ち家比率の高い地方においては人口減少が目立つ県で持ち家比率が下がる傾向にある一方で、もともと持ち家比率の低い東京都・神奈川県・兵庫県・大阪府などの都府県で持ち家比率が上昇しています。
それでは、東京23区に絞れば、どのような傾向にあるのかを見てみましょう。
- 目次
- 主要地域の基準地価
主要地域の基準地価
下のグラフは1998年調査から最新の2023年までの6回分の東京23区における総住宅数、借家総数、借家率の推移を示しています。これをみれば、まず総住宅数が順調に増えていることが分かります。1998年(25年前)は325万戸でしたが、2023年では522万戸となっており、1.6倍となります。また、借家数(民営借家が圧倒的多数。他は給与住宅=社宅および公的住宅)は2000年代初頭に少し減少しました。これは、当時「持たざる経営」がもてはやされ、社宅を手放す企業が増えたことが要因と思われます。しかし、以降は順調に増えていることが分かります。1998年(25年前)は197万戸でしたが、2023年には271万戸となっており、1.38倍となっています。これを割り算した借家比率は、ここ20年、50%を少し超えるくらいで推移しています。
東京都区部の世帯数は、2040年くらいまで増加することが予想されています。しかし、この将来世帯数の予測は、あまり当たっていません。予想以上に増えているのですが、その背景には単独世帯の想定以上の増加が要因です。そして、2040年くらいがピークと予想されていますが、これももう少し先に延びる可能性は高いと思われます。都市部に住む単独世帯の多くが賃貸住宅に住むことはよく知られたことです(地方の単独世帯は、死別によるものが多く、持ち家に住んでいる方も多く見られます)。こうして考えれば、東京23区をはじめとした首都圏主要エリアの賃貸住宅需要は、あと20年程度は安定的だと思われます。
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