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マーケットレポート2024, 12

2024年12月16日時点公表分
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工事費デフレーターで見る今後の新築マンション価格の見通し

分譲マンション、投資用マンションともに、新築マンションの供給が大きく減少しています。現在のペースなら、2024年の年間合計供給戸数は、過去30年を振り返っても最低の水準となりそうです。供給減少が続いている理由としては、マンション適地の不足と地価上昇が大きいと思われますが、それとともに「建築工事費の高騰」が挙げられます。土地仕入れ価格と工事費、つまりデベロッパーにとっての原価が上昇していることで、かなり高い坪単価でないと販売できない状況となっており、需要とのバランスを考えると事業化が難しい状況となっているようです。このような状況は、今後もしばらく続くと予想されます。ここでは、住宅建築工事費の状況を見てみましょう。

目次
建設工事費デフレーター(住宅総合)の推移(2015年度基準)

建設工事費デフレーター(住宅総合)の推移(2015年度基準)

下のグラフは、国土交通省が毎月公表している工事費デフレーターの中から、2013年以降の住宅建築(総合)を抽出したものです(2015年年間平均を100として算出)。これを見ると、2013年以降、徐々に工事費が上昇していることが分かります。特に2020年の後半からは上昇幅が大きくなっており、工事費が急騰している状況が伺えます。原材料費の上昇、工事が重なる中での人手不足、そして2022年以降は日本国内でもインフレ状況となっている影響など、理由は多くあります。これらの要因は、どれも短期間で収束する見通しが立っていません。また、2024年4月からは建築建設業界にも「働き方改革」が適用され、さらに労働力不足に拍車がかかり、人件費も高騰しています。
中古分譲マンション価格の上昇が続いていますが、その要因の1つとして、新築マンションの供給が少ないことから中古マンション市場に需要が流入していることが挙げられます。投資用の区分マンションにおいても、すでに同様の状況が起きていますが、建築工事費の見通しを考えると、今後も投資用マンションの新築供給は少なく、その価格もかなり高くなることが予想されます。このような状況を踏まえると、投資用の区分マンション市場でも、中古マンション価格が今以上に上昇する可能性がありそうです。

建設工事費デフレーター(住宅総合)の推移(2015年度基準)
建設工事費デフレーター(住宅総合)の推移(2015年度基準)|表
(国土交通省「建設工事費デフレーター」より作成)
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本マーケットレポート に掲載されている指標(例:利回り、賃料、不動産価格、REIT指数、金利など)は、
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