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MARKET REPORT マーケットレポート by 東急リバブル ・プロパティスタ

2022, 10/30

  1. 住宅地31年振りの上昇!2022年基準地価

    基準地価変動率の推移

    令和4年の基準地価が発表されました。住宅地全国平均は+0.1%(前年は−0.5%)と、31年振りにプラスとなりました。また、商業地全国平均は3年ぶりのプラスで+0.5%(前年は−0.5%)でした。全国的に地価の回復傾向が進んでおり、住宅地は新型コロナウイルスの影響が起こる前の状況に戻ったと⾔えそうです。⼀⽅、商業地は回復基調にあるものの、上昇幅は新型コロナウイルスの影響前(2019年)に⽐べるとまだ⼩さいという状況です。

    住宅地は、全国的にもコロナ禍から回復を⾒せているエリアも多く、中でも東京圏や名古屋圏では以前の状況に、そして地⽅4市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)ではコロナ禍前の⽔準を超えています。地⽅の住宅地では、地⽅圏全体−0.2%(前年は−0.7%)で、減少幅が縮⼩傾向にあります。また、地⽅4市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)に限ると、+6.6%(前年は+4.2%)となり、地⽅主要都市での住宅地の伸びが⽬⽴っています。
    商業地は、もともと東京や⼤阪ほどインバウンドの恩恵を⼤きく受けていなかった名古屋圏が、コロナ禍からいち早く回復し、上昇率を伸ばしていましたが、2022年は東京圏や⼤阪圏でも商業地の地価が回復していきました。

    圏域別 基準地価変動率の推移|図表



    東京圏 基準地価推移

    東京圏の基準地価は、住宅地が2年連続で上昇、商業地は10年連続で上昇となり、その上昇幅も昨年の0.1%から1.2%に拡⼤しました。住宅地では、コロナ禍で⼈気が⾼まった郊外だけでなく、⽣活に便利な都⼼の需要も⾼まり、地価が上昇しました。
    商業地では、コロナ禍で訪⽇外国⼈客が減少した東京銀座エリアがある中央区は下落から横ばいに転じるなど、公⽰地価では下落が⽬⽴った繁華街も基準地価では回復傾向が⾒られました。

    |図表
  2. データで考察!
    今、希少な⾸都圏中古投資⽤マンションとは?

    さきごろ(株)不動産経済研究所より「⾸都圏投資⽤マンション市場動向」が発表されました。これによると2021年で発売された⾸都圏の投資⽤マンションは、130物件、6,028⼾でした。2020年が140物件、6,260⼾でしたので、発売物件、⼾数ともに減少となりました。また、平均㎡単価は近年上昇が続いていましたが、2021年は5年振りの前年⽐マイナスで、116.9万円でした。

    ⾸都圏投資⽤マンション発売⼾数と平均㎡単価の年次別推移|図表


    のグラフは、本調査で遡及可能な1988年以降の⾸都圏投資⽤マンション供給⼾数の累計⼾数をストック数として、各年におけるストック数に対する築10年以内の物件数の割合を表したものです。2000年代初頭から半ばまで投資⽤マンションの供給量が増えたことで築10年以内の物件は6割近くとなる時期もありましたが、それ以降は減少傾向にあり、近年は3割程度になっています。




    ⾸都圏投資⽤マンション築10年以内が占める割合|図表


    次に、エリア別に⾒ていきましょう。2021年で最も多かったのが、江東区の698⼾、次いで墨⽥区が430⼾、横浜市南区380⼾、川崎市中原区376⼾と神奈川県が2エリアランクインしています。近年は、都⼼での投資⽤マンションの供給が乏しい状況です。⼀⽅で、数が増えてきているのは神奈川エリアで、横浜市や川崎市での投資⽤マンション開発が進んでいます。冒頭に、2021年の投資⽤マンション価格が下落したとお伝えしましたが、都⼼よりも⽐較的地価の低い神奈川エリアでの開発が多かったことが、平均価格下落の圧⼒となったと考えられます。

    このように、⾸都圏の投資⽤マンションは、全ストック数に対して希少なエリアや年代があり、中古投資⽤マンションの取引でも影響が出て来そうです。




    ⾸都圏投資⽤マンション供給エリアランキング上位5位の変遷|図表
  3. 東証REIT指数(オフィス・住宅・商業物流等)

    東証REIT指数(オフィス・住宅・商業物流等)

    東証REIT指数は、東京証券取引所に上場している不動産投資信託(JREIT)全銘柄を対象とした時価総額加重平均型の指数です。
    流動性の低い実物不動産に⽐べ、REITは流動性が⾼いため、その指数は、【不動産価格の先⾏指標】という性質を持っていると⾔えます。
    ここでは、全体(緑)と住宅REITのみ(⻘)の2つを掲載しています。

    東証REIT指数|図表
    データ解説

    REITは、22年の前半は好調でしたが、ここにきて下落ムードになっています。他国でも同じような状況です。アメリカでの⾦利上昇により、⽶国債へ投資マネーが流れていると思われます。

  4. 賃貸住宅の期待利回りの推移

    賃貸住宅(ワンルーム)の期待利回り推移

    期待利回り=キャップレート:投資家が不動産から期待する収益性(利回り)のこと。
    賃料⼀定のもとでは、キャップレートの低下は投資不動産価格(ここではワンルームマンション)の価格上昇を意味します。

    (ここで想定するワンルームは以下の通りです)
    交通アクセス:最寄り駅から徒歩10分以内
    築年数:5年未満
    平均専用面積:25~30㎡
    総戸数:50戸程度
    城南地区(目黒区、世田谷区)渋谷、恵比寿駅まで15分以内の鉄道沿線
    城東地区(墨田区、江東区)東京、大手町駅まで15分以内の鉄道沿線

    賃貸住宅(ワンルーム)の期待利回り推移|図表
    データ解説

    我が国の実物不動産投資は好調が続いており、その傾向はJREITと⽐較すれば、より顕著となっています。

  5. ⾸都圏 中古マンションの成約状況

    首都圏 中古マンション成約状況

    ⾸都圏中古マンション成約状況:レインズに登録された成約物件情報を集計し、公表したものです。
    新築マンションの同データでは、ブレが⼤きいため、マンション市況を現状分析する時は中古マンションデータを⾒る⽅が分かりやすいとされています。

    成約件数|図表 成約㎡単価|図表
    データ解説

    ⾸都圏の中古マンションは勢いよく上昇していましたが、ここにきて流通量が減り、価格は横ばいとなってきました。

  6. 新設住宅着⼯⼾数

    新設住宅着工戸数

    新設住宅着⼯⼾数とは、新たに建てられた住宅に関する統計で、建築主から都道府県知事に提出された建築⼯事の届出が毎⽉集計され、国⼟交通省から当⽉分が翌⽉末に発表されます。持ち家=所有する⼟地に住宅建築を⾏うもの、貸家=賃貸⽤のための住宅、分譲=分譲マンションと分譲⼾建(⼟地+建物)の合計です。

    総計(新設住宅着⼯⼾数)|図表 持ち家(新設住宅着⼯⼾数)|図表 貸し家(新設住宅着⼯⼾数)|図表 分譲(新設住宅着⼯⼾数)|図表
    データ解説

    持ち家(主に注⽂住宅)は建築費上昇の影響を受け、前年⽐割れが続いています。⼀⽅、貸家(賃貸⽤住宅)は投資意欲が旺盛なことと⾦利の低⽔準が続き堅調です。

  7. 不動産価格指数(区分所有マンション)

    不動産価格指数(区分所有マンション)

    不動産価格指数:不動産価格指数は、全国の住宅に関して、国⼟交通省が実施する「不動産の取引価格情報提供制度」により蓄積されたデータを活⽤し、「個別物件の品質」を調整したうえで、算出・推計した指数です。

    不動産価格指数|図表
    データ解説

    区分マンション価格を全国でみれば、上昇基調が続いています。しかし、⾸都圏では横ばいムードになっていましたので、注意が必要です。

  8. 各種金利の推移



    基準割引率・基準貸付利率

    ⽇本銀⾏が、個別の⾦融機関に対して資⾦を貸し出す際の基準⾦利のことです。2006年に「公定歩合」から「基準割引率および基準貸付利率」に名称が変更され、基準貸付利率は短期の市場⾦利の事実上の上限としての役割を担うようになっています。(出典)⽇本銀⾏HP

    長期国債(10年):

    償還期間が10年の国債の金利。月末の数値を採用しています。(出典)財務省HP

    フラット35:

    返済期間21年以上の金利(融資金額9割以下) で、最多金利を採用しています。(出典)住宅金融支援機構

    賃貸住宅融資(35年):

    賃貸住宅用の長期固定ローン金利です。前月下旬の金融情勢などに基づき金利を決定したと想定した場合の参考金利で、2カ月後に住宅金融支援機構債券の利回り、その他のコストを加味して決定される予定の金利が適用され、金融情勢の変化などによって金利が変更となる場合もあります。(出典)住宅金融支援機構

    各種金利の推移|図表
    データ解説

    ⽇銀の⾦融緩和政策が続き、依然低⽔準が続いています。

ご留意事項
※不動産投資はリスク(不確実性)を含む商品であり、投資元本が保証されているものではなく、元本を上回る損失が発⽣する可能性がございます。
※本マーケットレポート に掲載されている指標(例:利回り、賃料、不動産価格、REIT指数、⾦利など)は、不動産市場や⾦融市場の影響を受ける変動リスクを含むものであり、これらの変動が原因で損失が⽣じる恐れがあります。投資をする際はお客様ご⾃⾝でご判断ください。当社は⼀切の責任を負いません。
※本マーケットレポートに掲載されている情報は、2022年10⽉18⽇時点公表分です。各指標は今後更新される予定があります。
※本マーケットレポートに掲載した記事の無断複製・無断転載を禁じます。

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