2024.09.02 1億円以上の成約物件が8割に達し、平均価格は800万円超に
長引くインフレに歯止めをかけるため、米国では政策金利の高止まりが続いていたが、
ここへきて雇用情勢の悪化懸念から株価が急落し、日本の株式市場にも波及している。
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住宅ジャーナリストによるデータから読み解く都心不動産マーケット2023年の成約平均坪単価は前年比5.6%上昇して718.4万円だった。2ケタだった前年の伸び率(14.9%)と比べると上昇は鈍化したものの、年間平均としては初めて700万円を超えている。
高額物件の成約件数が伸び、平均単価も大きく上昇した。1~10月の平均単価は前年比13.1%の上昇。新型コロナの感染拡大が続くなか、都心マーケットの“高額シフト”が続いているようだ。
年明けの1~3月は全体の成約件数が前年比で減少したが、感染収束の兆しが見えてきた4月以降は増加基調に転じている。今後は円安や物価上昇などの影響に注意を払う必要がありそうだ。
2021年1~11月の平均単価は582.7万円となり、2020年比で1割近く上昇した。単価の上昇はアベノミクスが始まった2013年から9年連続だが、上昇率は2013年や2014年のそれに匹敵する高さだ。
成約物件数を価格帯別に見ると、1億円未満は前年同期比マイナス1.0%とほぼ横ばいだが、1億円以上の価格帯は同62.1%増えている。特に1億5000万円以上の物件の比率が伸びた。
東京では3月21日にようやく緊急事態宣言が解除され、年明け後は株価が上昇基調となっていることもあり、今後の成約件数の回復と相場の上昇に期待がかかる。
グランタクトが取り扱う都心7区のマンションの成約件数を右グラフで見ると、いわゆるアベノミクスがスタートした2013年以降、2019年までほぼ増加基調で推移していることが分かる。
グランタクト市ヶ谷の対象エリアである千代田区・新宿区では、成約件数の増加傾向が続いている。2018年は前年比でやや件数が減少したが、2019年は再び増加に転じ、過去最多を記録。
グランタクト六本木の対象エリアである港区・渋谷区では、取扱マンションの成約件数が2017年まで増加傾向が続いたが、2018年は夏以降の株価下落などを背景に減少に転じた。
2019年の成約件数を月ごとに見ると、前年同月を下回ったのは1月と5月だけで、6月以降は4カ月連続で前年より増加した。今後は平均坪単価が頭打ちになる可能性もあるだろう。
グランタクト市ヶ谷の対象エリアである千代田区・新宿区では、2017年にピークに達した成約件数が2018年には減少に転じた。5000万円以上1億円未満の成約が落ち込んでいる。
2018年には成約件数が前年比15.0%減少に転じるなど、潮目の変化とも考えられる動きが現れている。 ただし1億5000万円を超える価格帯は引き続き取引が活発な状況だ。
港区・渋谷区エリアでは、取扱マンションの成約件数が2017年まで3年連続で増加していたが、世界経済の先行き不透明感が広がりを背景に、2018年は減少に転じた。
住宅地・商業地・工業地の全用途平均で前年比1.2%アップと4年連続の上昇となった。東京圏の住宅地は1.3%アップ、商業地は4.7%アップでいずれも6年連続の上昇だった。
都心のマンションマーケットは2008年9月のリーマンショックにより成約件数、平均坪単価ともに落ち込みが続いたが、アベノミクスがスタートした2013年以降は市況が急速に回復した。
港区・渋谷区内のグランタクト対象マンションの平均坪単価は、8月には直近2年間で最高値となる610万円台まで上昇したが、9月は一転して480万円台と4月以来の低水準に落ち込んだ。
昨年8月に500万円を突破した坪単価がその後も500万円台前半で推移。今年4月に一旦400万円台に下がったが、5月には一気に570万円台まで上昇、6月も550万円台を維持している。
都心物件の取引状況について、港区・渋谷区内のグランタクト対象マンションの成約坪単価の平均を見ると、2017年8月から2018年3月まで8カ月連続で前年同月を上回っている。
2017年のマンション市場動向データから、港区を中心とした都心の概況を確認すると、港区内で2017年に発売された新築マンションの戸数は919戸で、前年比39.5%の増加となった。
2016年11月の米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利して以降、騰勢を強めた日米の株価だが、その後の景況の低迷や地政学リスクの高まりなどから一時的に弱含みとなった。
東京23区の動きでは物件の坪単価は新築・中古ともに2013年以降は上昇が続いていたが、2017年以降の月次ベースでは新築が360万円、中古が240万円前後で頭打ち気味となっている。
価格相場の上昇が続いていた都心のマンション市場、巷間では「東京五輪の前後からマンション価格の下落が始まる」との説がまことしやかに流布されているが、本当にそうなるのだろうか。