市況・マーケット
~東急リバブル不動産鑑定士が見る~「平成24年 都道府県地価調査」-4
2012年10月1日
~東急リバブル不動産鑑定士が見る~「平成24年 都道府県地価調査」
- 平成24年都道府県地価調査の概要
- 住宅地の動向
- 商業地の動向
- 3大都市圏・地方圏住宅地の推移(1)
- 3大都市圏・地方圏住宅地の推移(2)
IV.3大都市圏・地方圏住宅地の推移(1)
1.東京圏
大震災の影響からの回復傾向が見られ、半年毎の地価動向を見ると、平成24年1月〜6月は回復の程度が加速しており、前年比で見ても△1.0%(前年△1.9%)と下落幅が縮小しています。
東京都
東京都区部は、平均で△0.5%(前年△1.3%)と下落幅は縮小しました。個別の行政区で見た場合でも△1.0%以上の下落となった区はなく、特に墨田区、目黒区で横ばいとなっています。
また、多摩地域においても平均で△0.6%(前年△1.3%)と区部と同様に下落幅が縮小しました。
特に都心に近く、前年から堅調であった立川市、武蔵野市、昭島市、日野市、稲城市で横ばいとなりました。
神奈川県
神奈川県では、横浜市及び川崎市を中心として上昇地点が増加しており、横浜市では平均で△0.4%(前年△1.3%)となり、個別の行政区で見た場合でも△1.0%以上の下落となった区はありません。
特に神奈川区、西区で上昇に転じ、中区、都築区で横ばいとなっています。
川崎市は、東京圏のなかでも地価回復が顕著であり、川崎市は平均で+0.5%(前年△0.8%)と上昇に転じました。特に駅前再開発の影響から前年から底堅い動きを見せていた中原区の+2.1%(前年△0.2%)を筆頭に幸区、高津区、多摩区で上昇に転じ、地価回復が鮮明となっています。
その他、藤沢市では、昨年11月に大型商業施設が開業したJR辻堂駅近くの住宅地である、藤沢市羽鳥1丁目で+7.5%、5丁目で+6.2%と大幅な上昇が見られました。
埼玉県・千葉県
埼玉県で、平均で△0.6%(前年△2.3%)と下落幅が縮小し、特に浦和は横ばいとなっています。
千葉県では、東京湾アクアラインの通行料引き下げや平成24年4月の大型アウトレットモールの開業効果による商業地の好況の影響から木更津市が上昇したほか、昨年は液状化の影響により大きく下落していた浦安市(※)で、都心へのアクセスのよさから人気が回復した上昇地点が多く見られ、平均で+1.6%(前年△7.1%)と大幅に回復しました。
(※浦安市については、液状化の被害のなかった場所のみの調査となります)
2.大阪圏
平均で△1.0%(前年△1.8%)と下落幅が縮小しました。
大阪府
大阪府では、大阪市が平均で△1.0%(前年△2.0%)と下落幅は縮小しており、なかでも大阪市中心6区(北区、福島区、中央区、西区、天王寺区、浪速区)は平均で+0.6%(前年0.7%)と上昇に転じており、特に福島区が+0.7%(前年±0.0%)、天王寺区が+1.3%(前年△0.5%)と地価回復を牽引しています。
その他、文教地区として人気の阿倍野区も+0.3%(前年△0.6%)と上昇に転じています。
兵庫県・京都府
兵庫県では、芦屋市が+1.1%(前年+0.9%)と2年連続して上昇しています。また、神戸市では△0.5%(前年△1.0%)と下落率は縮小し、特に東部4区(東灘区、灘区、兵庫区、中央区)は平均で+0.5%(前年△0.3%)と上昇しています。
その他、西宮市で+0.5%(前年△0.2%)となるなど、阪神間の人気の高さを裏づける動きとなりました。
京都府では住環境と利便性のよい地で上昇地点が見られ、京都市上京区は+1.8%(前年△0.1%)と上昇に転じています。