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~東急リバブル不動産鑑定士が見る~「平成24年 相続税路線価」-1
2012年7月27日
【POINT】
全国的に見ると、4年連続で下落したが、前年に比べ下落幅は縮小!
大都市圏を中心に地価は下げ止まり傾向!
相続税路線価とは・・・
路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことで、相続税や贈与税を計算する際の土地の評価額の基準となるものです。この路線価を基に土地の評価を行うのが「路線価方式」で、市街地にある土地はこの方式で評価額を計算することになります。
なお、この路線価の定められていない土地については、市町村などが定めている固定資産税評価額に、一定の倍率をかけて土地の評価を行う「倍率方式」で評価額を計算します。
路線価及び評価倍率は、標準宅地数は約36万地点について、毎年1月1日を評価時点として地価公示価格等を基として算定した価格の80%により評価しています。
I.全国の傾向
前年から下落幅は縮小。特に大都市圏は下げ止まり傾向
「平成24年相続税路線価」(平成24年1月1日時点)が、国税庁より7月2日付けで発表されました。
全国の路線価の平均変動率は、前年比△2.8%と、4年連続で下落となりましたが、前年の△3.1%から下落幅は縮小となっており、特に、大都市圏は地価の下げ止まり傾向が顕著となっています。
本年分の路線価については、「調整率(※)」を設けず、通常の方法で時価を算出しています。
ただし、福島第1原子力発電所事故の警戒区域と、計画的避難区域(再編後の避難区域を含む)については、前年に続き「評価額ゼロと申告して構わない」とする措置が取られました。
※東日本大震災後の下落幅を反映して税負担を軽くする為に、国税庁が10県(青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・栃木県・千葉県・埼玉県の一部・新潟県の一部・長野県の一部)で設定していたもの。
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