文豪が描いた街、
登場人物が生きた時代
書籍に息づく、かつての情景にふれてみませんか?
Vol.3紅葉館(森鷗外「里芋の芽と不動の目」)
・愛宕塔(徳富蘆花「不如帰」)
・広尾町(永井荷風「墓畔の梅」)
紅葉館(こうようかん)
明治14年(1881)、現在の芝公園4丁目に開業した料亭で、調度から室内装飾まで紅葉模様を使うという凝り様だったようです。
徳川家康開基の金地院境内だった所で、紅葉山という旧称に因んでその名が付けられました。会員制度で客筋が貴顕紳士に限られていましたが、高田早苗や市嶋謙吉などに伴われて、尾崎紅葉をはじめ硯友社一派の文士たちが行くようになったといいます。
現在は、東京タワーが建っています。
愛宕塔(あたごとう)
明治22年、現在の港区芝愛宕町1丁目の愛宕山上、愛宕神社左手に建てられた五階建ての高塔です。旅館兼西洋料理店の愛宕館に付属していて、最上階は望遠鏡がある展望台でした。
愛宕館が廃業した後も、愛宕塔だけは大正まで残っていたようで、現在はNHK放送博物館になっています。
広尾町(ひろおまち)
麻布区広尾町は、現在の港区南麻布5丁目にあたります。もとは「平尾」と呼ばれた原でした。電車が信濃町から天現寺〔多聞山・臨済宗〕前まで開通したのは明治39年3月。天現寺から中目黒までは大正13年11月に通じましたが、昭和44年に撤去されています。
都心散歩
文豪が描いた街、登場人物が生きた時代 〜港区篇〜
港区編
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Vol.1
伊皿子(永井荷風「日和下駄」)・高輪(樋口一葉「うもれ木」)・青山南町(水上瀧太郎「青山の家」) 伊皿子(永井荷風「日和下駄」)
高輪(樋口一葉「うもれ木」)
青山南町(水上瀧太郎「青山の家」) -
Vol.2
泉岳寺(夏目漱石「吾輩は猫である」)・飯倉片町(島崎藤村「嵐」)・狸穴町(島崎藤村「嵐」) 泉岳寺(夏目漱石「吾輩は猫である」)
飯倉片町(島崎藤村「嵐」)
狸穴町(島崎藤村「嵐」) -
Vol.3
紅葉館(森鷗外「里芋の芽と不動の目」)・愛宕塔(徳富蘆花「不如帰」)・広尾町(永井荷風「墓畔の梅」) 紅葉館(森鷗外「里芋の芽と不動の目」)
愛宕塔(徳富蘆花「不如帰」)
広尾町(永井荷風「墓畔の梅」)