市況・マーケット
~東急リバブル不動産鑑定士が見る~「平成26年 地価公示」-7
2014年4月18日
~東急リバブル不動産鑑定士が見る~「平成26年 地価公示」
- 平成26年地価公示の概要
- 住宅地の動向
- 商業地の動向
- 東日本大震災の被災地
- 三大都市圏・地方圏住宅地の推移(首都圏)
- 三大都市圏・地方圏住宅地の推移(大阪圏)
- 三大都市圏・地方圏住宅地の推移(名古屋圏・地方圏)
VII.三大都市圏・地方圏住宅地の推移(名古屋圏・地方圏)
名古屋圏
圏域平均で+1.1%(前年±0.0%)と上昇に転じました。
名古屋圏は、上昇地点の割合が大幅に増加し、半数以上の地点が上昇となりました。
愛知県は平均で+1.3%(前年+0.2%)と前年に引き続き上昇しました。
特に名古屋市及びその周辺部である尾張地域、自動車関連産業が集積する西三河地域の多くで上昇基調となっています。
名古屋市は戸建住宅地、マンションともに需要が強く、特に優良住宅地への需要が堅調で、港区以外は全ての区で上昇となり、平均で+2.6%(前年+0.4%)と前年に引き続き上昇しています。
地方圏
圏域平均で△1.5%(前年△2.5%)と下落幅は縮小しています。
地方圏は、約3/4の地点が下落していますが、宮城県、福島県、沖縄県で上昇となっています。
特徴的な地域をみると、宮城県は都道府県別で最高の+2.5%上昇し、大震災で被害を受けた石巻市で、津波を免れた高台の地点(石巻-17)が3年連続で全国1位の上昇率となりました
地方ブロック中心都市では、仙台市は移転需要や地下鉄開業を控え、沿線周辺での住宅地需要は旺盛であり+3.1%(前年+1.6%)と前年に引き続き上昇しました。
福岡市は戸建住宅、マンションとも需要が堅調で全ての区で上昇となり、特に、生活利便性に優る早良区、中央区を中心にマンション素地の取引が好調で、上昇基調を強め+1.8%(前年+0.7%)と前年に引き続き上昇しました。
札幌市は市中心部や地下鉄沿線等の利便性が高い住環境良好な地域で戸建住宅、マンション素地への需要が堅調で上昇基調となり、特に人気の高い宮の森・円山地区では上昇基調を強めるなど中央区は3.5%上昇(0.5%上昇)となりました。
【まとめ】
今回の地価公示においては、前年に引き続き全国的に下落幅が縮小し、上昇・横ばいの地点も大幅に増加しています。
前年は住宅政策、低金利、値頃感から住宅需要が不動産市場を下支えしてきましたが、今回の地価公示では、景気回復による住宅需要の増大、金利や不動産価格の先高感などが追い風となっています。
さらに、商況の回復、投資マネーの流入などが重層的に不動産需要を刺激し地価回復に大きな影響を与えました。
東急リバブル 鑑定コンサルティング事業課