税制コラム
マイホームを売却、または新たに買い換えた場合-1
確定申告講座~2023年編(1)
2024年02月15日
確定申告講座~2023年編(1)
「マイホームを売却、または新たに買い換えた場合」
I.売却にかかる税金計算の基礎を学ぶ!
4,000万円で買ったマンションが5,000万円で売れた!
単純計算で1,000万円利益が出たことになります。この場合1,000万円の利益※に対して所得税および住民税がかかることになります。
※実際には、譲渡時の費用や、建物の減価償却費を加味して譲渡利益を計算します。
1.申告期限はいつまででしょうか?
不動産の売却による利益(税法用語で『譲渡所得』)の確定申告は、不動産を譲渡した日の属する年の翌年の2月16日から3月15日の間に行うことになります。
※ただし、該当日が土日になる場合には、明けの月曜日が該当日なります。
例:3月15日が日曜日の場合には、3月16日(月)が期限となります。
2.譲渡した日はいつ?
次のいずれかの日を譲渡の日とすることができます。
- 1.売買契約の効力発生日(契約締結日)
- 2.引渡しがあった日(決済日)
ワンポイント
契約日と引渡し日が年をまたいだ場合、どちらを選ぶかで申告年度が変わることになります。さて、どちらを選ぶのが良いのでしょうか?
不動産の売却益に対する税率は所有期間等によって変わります。一番影響が大きいのが、譲渡した年の1月1日で5年を経過しているかどうかになります。
譲渡した年の1月1日時点において5年を経過していた場合には長期譲渡所得に該当し、5年を超えていない場合には短期譲渡所得に該当します。
所得税と住民税の合計税率は、長期譲渡所得だと20.315%、短期譲渡所得だと39.63%になるため、通常は長期譲渡所得に該当することが好ましいことになります。仮に、契約日と引渡し日が年をまたぐ場合、引渡し日を選択すると5年経過の長期譲渡、契約日を選択すると4年で短期譲渡になることがあるので注意が必要です。もちろん、5年経過の方が税率が低いので、このケースでは譲渡日は引渡し日を選ぶのが好ましいことになります。しかし、契約年度において、他の不動産を売却して売却損が生じているケースなどでは、契約日を譲渡日として申告することで、売却益と売却損を相殺することも可能になるため、一概に引渡し日を譲渡日とすることが好ましいわけではありません。
このあたりは、とても重要なポイントになりますので、ぜひ専門家に相談して、適正な申告タイミングを判断してもらいましょう。
確定申告講座~2023年編
- 確定申告講座~2023年編(1) マイホームを売却、または新たに買い換えた場合
- 確定申告講座~2023年編(2) マイホームを購入した場合の特例制度<住宅ローン控除、他>
- 確定申告講座~2023年編(3) マイホーム購入資金の贈与を受けた場合
参考
国税庁タックスアンサーhttp://www.nta.go.jp/
監修
マックス総合税理士法人http://www.max-gtax.com/
税理士
川合宏一
武石竜
吉田正洋
宇波意人
平石和也