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税制コラム

マイホームを売却、または新たに買い換えた場合-6

確定申告講座~2023年編(1)

2024年02月15日

II.マイホーム売却時の特例制度を学ぶ!

2.損失が出る場合の特例

自宅の売却により損失が発生する場合、一定の要件を満たすことで損失額と給与収入を相殺することができ、給与収入に課されていた税金を還付させることができます!
ただし、新しく自宅を買い換えるかどうかで、その損失額の算出方法が変わりますので注意が必要です。

(注) 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例は、住宅ローン控除との併用が認められています。

(1)居住用買換の譲渡損失の損益通算・繰越控除

A.概要

2023年12月31日まで(※令和6年度税制改正により2年延長される予定)に、特定のマイホーム(居住用財産)を売って、代わりのマイホームに買い換えたときは、一定の要件のもと、マイホームの譲渡損を譲渡年の給与や他の所得から控除できます。また、控除しきれなかった譲渡損は翌年以後3年間にわたり繰り越して控除することができます。
これを、居住用買換の譲渡損失の損益通算・繰越控除といいます。

自宅を売却して1,000万円の損失が出た。

売却代金や、追加の自己資金、ローンを組んで新しい自宅を取得

その譲渡した年の年収が800万円で税金を○円納めている。

譲渡損を給与所得から控除することで○円の税金を丸々還付することができます。

さらに、控除できなかった損失は翌年に繰り越され、来年の税金も一部還付されます。

B.適用可否チェック

適用可否チェック表:印刷用ファイル

チェック項目 チェック欄
基本チェック項目 譲渡した自宅 1 居住の用に供している土地等・家屋であること  
2 2023年12月31日までの譲渡であること  
3 譲渡資産はその年の1月1日において所有期間が5年超であること  
4 譲渡先が配偶者(内縁関係含む)・直系血族・同族会社でないこと  
5 譲渡年に2以上の譲渡がある場合にはいずれか1つのみ適用  
6 居住しなくなって3年経過後の属する年の12月31までの譲渡であること(3年目の末日基準)  
7 譲渡資産に500m²超の土地等が含まれている場合には、500m²超の部分を除く(繰越控除)  
8 贈与又は出資による譲渡でないこと  
新しく買換える自宅 9 繰越控除の適用を受ける年の12月31日において、買換資産に住宅ローン(契約における償還期間は10年以上)が残っていること  
10 譲渡年の前年1月1日から譲渡年の翌年12月31日までに居住の用に供する買換資産を取得すること  
11 買換資産の取得日から取得日の翌年12月31日までの間に居住の用に供すること又は見込みがあること  
12 買換資産の居住用床面積が50m²以上あること  
13 贈与・代物弁済による取得でないこと  
その他の項目 14 繰越控除の適用を受ける年は、合計所得金額が3,000万円以下であること(譲渡年は所得要件なし)  
15 譲渡損失が発生した年の前年又は前々年において居住用3,000万円特別控除の特例等を受けていないこと(3年に1回適用可)  
16 譲渡年又は譲渡年の前年以前の3年以内にこの特例を受けていないこと。  
17 譲渡年又は譲渡年の前年以前3年以内において、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除の適用を受けないこと又は受けていないこと  
特殊ケース 1 譲渡した相手が親族(上記4以外)の場合 必ず専門家に相談
2 本人は居住しなくなったが、生計を一にする親族がそのまま引き続き居住している場合のその家屋を譲渡した場合
3 居住用家屋・土地等の一部分だけを譲渡した場合
4 譲渡した土地等と家屋の所有者がそれぞれ異なる場合
5 家屋が取り壊された土地等だけの譲渡をした場合
6 同年において他の特例を受ける場合
7 居住していたが、住民票が別の場所にあった場合

参考

国税庁タックスアンサーhttp://www.nta.go.jp/

監修

マックス総合税理士法人http://www.max-gtax.com/

税理士
川合宏一 
税理士 武石竜 
税理士 吉田正洋

税理士 宇波意人 
税理士 平石和也

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