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税制コラム

マイホームを売却、または新たに買い換えた場合-7

確定申告講座~2023年編(1)

2024年02月15日

II.マイホーム売却時の特例制度を学ぶ!

(2)特定居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除

A.概要

2023年12月31日まで(※令和6年度税制改正により2年延長される予定)に、特定のマイホーム(居住用財産)を売って、その売却金額で借入金を返済しきれない場合には、一定の要件のもと、譲渡損と残った借入金とのいずれか少ない金額を給与など他の所得と譲渡年及びその翌年以後3年間にわたり損益通算・繰越控除ができます。これを、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除といいます。

昔4,000万円で取得した自宅を2,000万円で売却した

住宅ローンはまだ3,000万円残っている。

売却代金をすべて返済に回してもまだ1,000万円のローンが残る。

この1,000万円を給与所得から控除でき、税金の還付をさせることができる。

損失が繰り越され、さらに来年も税金が一部還付される。

B.適用可否チェック

適用可否チェック表:印刷用ファイル

チェック項目 チェック欄
基本チェック項目 1 譲渡資産は、居住の用に供している土地等・家屋であること  
2 2023年12月31日までの譲渡であること  
3 譲渡資産はその年の1月1日において所有期間が5年超であること  
4 譲渡先が配偶者(内縁関係含む)・直系血族・同族会社でないこと  
5 譲渡資産については譲渡契約日の前日において住宅ローンが残っていること  
6 居住しなくなって3年経過後の属する年の12月31日までの譲渡であること(3年目の末日基準)  
7 繰越控除を受ける年は、合計所得金額が3,000万円以下であること(譲渡年は所得要件なし)  
8 譲渡年の前年以前3年以内にこの規定の適用を受けていないこと(3年に1回適用可)  
9 譲渡損失が発生した年の前年又は前々年において居住用3,000万円特別控除等の特例を受けていないこと  
10 譲渡年又は譲渡年の前年以前3年以内において、居住用買換の損益通算・繰越控除の適用を受けないこと又は受けていないこと  
11 贈与又は出資による譲渡でないこと  
特殊ケース 1 譲渡した相手が親族(上記4以外)の場合 必ず専門家に相談
2 本人は居住しなくなったが、生計を一にする親族がそのまま引き続き居住している場合のその家屋を譲渡した場合
3 居住用家屋・土地等の一部分だけを譲渡した場合
4 譲渡した土地等と家屋の所有者がそれぞれ異なる場合
5 家屋が取り壊された土地等だけの譲渡をした場合
6 同年において他の特例を受ける場合
7 居住していたが、住民票が別の場所にあった場合

【まとめ】

損失が出た場合の特例を比較してみましょう。

  居住用買換えの譲渡損失の
損益通算・繰越控除
特定居住用財産の譲渡損失の
損益通算・繰越控除
所有期間 5年超 5年超
譲渡資産の住宅ローン残高 不要 必要
買換資産 必要 不要
買換資産の住宅ローン残高 必要 不要
損益通算の対象額 譲渡所得の金額の計算上生じた
損失の金額

次の金額のうちいずれか少ない金額

  • (イ)譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額
  • (ロ)譲渡所得に係る住宅ローン残高から譲渡の対価の額を控除した金額

【得】豆知識!

新しい自宅を購入する際に、ローンを組まないで現金で購入できてしまう方は要注意!
旧自宅の売却損失を活用するためには住宅ローンを組む必要があります。
従って、あえて住宅ローンを組むことで、売却損失を有効に活用していきましょう。

また、譲渡した年における給与所得等の損益通算には所得要件(合計所得金額が3,000万円以下)がありません。そのため、所得3,000万円オーバーの人でも、一旦住宅ローンを組み新マイホームを取得し、(1)の居住用買換の譲渡損失の損益通算の適用を受けてから繰上返済する方法により、無駄なくしっかりと還付を受けることができるのです。

※住宅ローンには償還期間が10年以上など要件があるのでご注意ください。

参考

国税庁タックスアンサーhttp://www.nta.go.jp/

監修

マックス総合税理士法人http://www.max-gtax.com/

税理士
川合宏一 
税理士 武石竜 
税理士 吉田正洋

税理士 宇波意人 
税理士 平石和也

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