2021年4月の不動産ニュース

日々、移り変わる不動産市場。
私たちにとって“情報”を理解し、
精査することは何よりの財産です。
ここでは不動産業界のニュースをお届けします。
※記載されている内容は、全て掲載時点のものです。
最新の内容とは異なる場合がありますのでご了承ください。

2021年4月

  • 2021.04.27

    首都圏の中古M売価、初の4千万円超え

    東京カンテイがまとめた3月の中古マンション70㎡価格月別推移によると、首都圏の売り希望価格は前月比3・3%上昇の4021万円となり、02年の集計開始以来初めて4000万円を超えた。前月比での上昇は7カ月連続。前年同月比では7・3%の上昇。相対的に価格の高い東京都の事例シェア拡大が影響した。

    東京都は1・4%上昇の5535万円となり、9カ月連続で上昇中。前年同月比では8・5%の大幅なプラスだった。東京23区は1・2%上昇(前年同月比8・2%上昇)の6141万円と、9カ月連続で上昇した。そのほか、横浜市が0・6%上昇、さいたま市が2・8%上昇、千葉市が0・3%上昇。23区で先行していた上昇トレンドが昨秋以降に他の主要都市にも波及しつつあると分析する。東京都心6区は0・7%上昇(前年同月比7・7%上昇)の8916万円で、5カ月連続で上昇した。すでに1億円を超えた千代田区と港区に続いて渋谷区も1億円に肉薄。昨秋を境に周辺エリアでも上昇度合いが強まっているとした

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.04.26

    トップインタビュー・岡田東急不動産社長

    ◎再生エネを主力事業へ、テナント供給も
    ―再開発の戦略エリアは広域渋谷圏と湾岸

    東急不動産社長 岡田 正志氏


    東急不動産は、再生可能エネルギー事業をオフィスなどの「都市事業」「住宅事業」、リゾートなどの「ウェルネス事業」に次ぐ主力事業に成長させる方針だ。旗振り役となった岡田正志社長にその背景に加え、オフィスや住宅など各事業の展望も聞いた。


    ―再エネ事業に力を入れている背景は。

    岡田氏 14年から開始し、現在では太陽光発電所や陸上風力発電を中心に建設中を含め全国55カ所を展開している。合計定格容量は1143㎿で、原子力発電所1基分を超える規模にまでなった。ようやく花が開いてきた。始めた理由は脱炭素化やエネルギーの自給など社会的な意義があったほか、不動産会社として培った開発力が生かせる事業だと判断したため。リスクとリターンの面では不動産事業は景気の波の影響を大きく受けるが、再エネ事業は20年間の固定価格買い取り制度(FIT)によって事業の見通しが立ちやすく、会社の経営基盤をさらに強化できると考えた。


    ―今後の方針は。

    岡田氏 当初は売却して資金を回転させていくイメージを持っていたが、現在ではビルや商業施設、物流施設よりも利回りが高く、収益も安定しているため、主な開発物件は保有し、一部は売却していく。洋上風力にも注力していきたい。再生可能エネルギーは既に基幹事業になりつつあるが、近い将来には都市事業や住宅事業などに次ぐ主力事業に成長させたい。


    ―不動産業界ではテナントへの再エネ供給が進んでいる。

    岡田氏 実際に発電所を持っているのは大きな強みだと自負している。今年4月から既に17施設で使用する電力を再エネに切り替えたが、自社発電のため、コストアップはなく従来通りの電気代で済む。25年にはすべての施設で再エネに切り替え、「RE100」を達成する。これは国内企業でもかなり早いのではないか。


    ―他の主力事業の展望について。

    岡田氏 オフィス市場がそれほど縮小するとは思っていない。ただ、オフィスのあり方は変わる。コミュニケーションを取ったり、議論したりする場としての機能がより重視されている。オフィスの入居や退去、拡張や縮小をもう少しフレキシブルにするようになるかもしれない。今は人間関係のベースがあるから、リモートワークも上手く回っているが、オンラインだけでは忠誠心や愛着が醸成されるとは思えない。開発においても、単純なオフィスビルの開発から、エリア全体を再開発していく方向に大きく動くのではないか。当社としては広域渋谷圏に力を注ぎ、第二の戦略エリアとして新橋から品川周辺の湾岸エリアに注目している。


    ―住宅事業はどうか。

    岡田氏 住宅事業は首都圏の分譲マンションの売れ行きが思いのほか堅調だ。住宅の再開発事業も軌道に乗ってきて、25年度以降は再開発案件が新規供給のベースとなってくる。ただ、再開発によって新しく安全な街になっても、面白味が欠けてどこも同じような街になったら意味がない。それぞれの街の個性をうまく作り込んでいくことがデベロッパーの腕の見せ所だろう。今取り組んでいる東京・渋谷の桜丘地区の再開発でも街の記憶を受け継いでいくような街づくりを目指している。


    ―東急不動産の将来像をどう描く。

    岡田氏 他社と同じことをやっていても生き残れない。他にない事業の厚みを増していく。その一つが再エネ事業であり、会員制リゾートホテルの東急ハーベストクラブ事業もある。コロナによってリゾートのあり方も大きく変わった。今までは非日常を体験する場だったが、ワーケーションなど日常的な使い方もされ始めた。リゾートの価値が大きく高まり、軽井沢の地価などは上昇している。今後は、単体の事業ではなく、リゾートを中心とした街づくりのようなことにも取り組んでいきたい。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.04.22

    20年度の中古成約件数、戸建が過去最高

    ―東日本レインズ、マンション2・3%減


    東日本不動産流通機構は21日、20年度(20年4月~21年3月)の首都圏不動産流通市場動向をまとめた。中古マンションの成約件数は前年度比2・3%減の3万7049件となった。3年ぶりに前年度を下回ったが、5年連続で3万7000件台を維持した。中古戸建ての成約件数は9・0%増の1万4102件となり、過去最高を更新した。前年度越えは3年連続。すべてのエリアで増加した。

    中古マンションの成約物件の平均価格は5・5%上昇の3668万円で、8年連続の上昇。成約物件を価格帯別にみると、5000万円以上の各価格帯で件数が増加した。成約物件の1㎡当たり単価は4・1%上昇の56・14万円。上昇は8年連続で、この8年間で46・2%上昇した。新規登録件数は15・6%減の17万388件と大幅に減り、2年連続で減少した。中古戸建ての成約物件の平均価格は2・3%上昇の3199万円で、2年連続で上昇。成約物件を価格帯別にみると、すべての価格帯で件数が増えた。新規登録件数は19・7%減の5万7580件と2割近く減少し4年ぶりのダウン。5万件台となるのは10年ぶり。

    21年1~3月期の中古マンション動向をみると、成約件数は前年同期比12・2%増の1万1295件となり、四半期ベースの過去最高を更新した。前年同期を上回るのは3期連続。成約価格は前年同期比6・4%上昇の3797万円となり、34期連続で前年同期を上回った。前期(20年10~12月)比では2・3%の上昇で、3期連続で上昇し続けている。新規登録件数は22・0%減の4万320件となり、6四半期連続で前年同期を下回った。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.04.21

    東急ら、パークPFIの渋谷区立公園

    東京・渋谷区で初めてPark―PFIを導入して整備した「渋谷区立北谷公園」がこのほど開園した。東急が代表企業のコンソーシアムが整備を担い、東急らで構成する「しぶきたパートナーズ」が運営する。

    同施設(渋谷区神南1―7―3)は、面積960㎡でJR山手線・渋谷駅から徒歩7分の立地。園内にベンチ、カフェなどが入る2階建ての建物に加え、Wi-Fi回線を整備して、多様な交流・憩いの場を目指す。今後、イベントなどを通じて地域活性化の拠点としてにぎわいづくりに取り組む。東急の髙橋和夫社長は、「駅前の大型施設だけでないまちの顔があると良い。公園の整備は出発点で、これからの運営が重要だ」と語り、全国のPark―PFI事業などへの参画も検討していく。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.04.19

    東急コミュ、PPPの相談窓口の協定

    東急コミュニティーは、21年度の「PPP協定パートナー」の個別相談パートナーとして、このほど国土交通省と協定を結んだ。地方公共団体や地場企業に向けてPPP/PFI事業に関する個別の相談窓口として、情報提供を行っていく。

    同社は、PPP/PFIの手法による公的施設の豊富な管理実績を生かして、初めて協定を締結した。地方公共団体の職員や地場企業に向け、公的施設の管理事例に照らし合わせて、PPP/PFI事業の導入の実効性などについて情報提供を行うことを想定している。期間は22年3月31日まで。21年度は、マンション管理業界ではこのほか、日本管財が協定パートナーとなっている。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.04.12

    東急、定額制の回遊型宿泊プランが好評

    ―4時間で応募50件超、旅する暮らし提案


    東急が29日から先行体験(定員100名)を開始する定額制回遊型住み替えサービス「tsugi tsugi(ツギツギ)」の応募が、募集開始から4時間で50件超の申し込みを集めた。東急グループの豊富なリソースを活用した「居住と宿泊の中間に位置付ける」(担当者)サービスの提供で、自由な場所を選びながら負担感の少ない新たな暮らし方の提案として、本格的な事業化を進めていく。

    ツギツギでは、居住・宿泊・就労など生活に関わる様々な制約を緩和して、「旅するような暮らし方」の実現を目指す。賃貸住宅で必要な初期費用・契約期間の制限緩和やホテル宿泊の料金負担を軽減した定額制サービスで、個人に対応した自由な暮らし方を提案する。先行体験(30泊・60泊)では、日本全国の東急ホテルズと東急シェアリングのうち計39施設から、自由に場所を選んで1泊から60泊まで滞在できる。渋谷や羽田など都市型ホテルのほか、宮古島や軽井沢などリゾート施設も対象で、施設内のレストランなどの優待のほか、施設間移動の交通費のサポートも行う。今後は、外部連携も含めた対象施設・エリアの拡充や東急グループの新たな施設との連動、地域コミュニティに根差した体験の提供などで、高い自由度の充実した生活体験の提供を目指す。

    同社の担当者は、「ホテルの宿泊サービスの提供で、セキュリティやサービス面で価値ある体験を提供できる」と語る。また、先行体験に参加する「二子玉川エクセルホテル東急」の担当者は、「元々、住宅街の近くの立地で住み替え時など中長期の滞在需要はあった。新しいサービスで、街に地縁のなかった新たな若い世代と接点が生まれる」と期待を寄せる。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.04.09

    東急、ホテルで定額制回遊型宿泊プラン

    東急は9日から、定額制の回遊型住み替えサービス「tsugi tsugi(ツギツギ)」の先行体験の募集を開始する。第1弾として、東急グループの全国のホテルやコンドミニアム39施設を活用し、住み替えのハードルを軽減して自由な移動と組み合わせた暮らし方を実現するサービスを提供する。

    同サービスは、東急ホテルズ35施設、東急バケーションズ4施設のうち、毎日好きな場所を選び、完全定額制で利用できる。賃貸住宅の手続きや初期費用・水光熱費などのランニングコストは不要で、気軽に施設を移動しながら暮らせる。部屋の定期清掃やリネン交換などの通常サービスに加え、レストランやバーの優待、施設間移動費の一部サポートなどの特典も設ける。先行体験では、60泊(税・サービス料込36万円)と30泊(同18万円)のプランで各50名(同伴者1名まで無料)を募集する。今後は展開エリアや拠点、移動サービスとの連携や宿泊施設以外の施設など様々な拡充を図って、事業化の検討を進めていく。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.04.07

    東急不、渋谷桜丘で企業コンソーシアム

    ―多業種が横連携で「未来シェアリング」


    東急不動産は、大規模再開発を進めている東京・渋谷の桜丘エリアで、ベンチャーを含む多様な企業が連携し、渋谷の価値や魅力のさらなる向上に向けて活動するコンソーシアムを設立した。桜丘エリア内に様々な企業と連携した事業開発のプラットフォームとなる「ニュートラル・イノベーション・ベース」(NIB)を設け、イノベーションの創出や個性豊かな人材とのマッチング、新たな文化の創造を目指す。

    コンセプトは「未来シェアリング」。同社が重点的に開発を進める広域渋谷圏の新たな戦略に位置付ける。大企業などによるベンチャーキャピタルやアクセラレーションプログラムとは異なり、東急不動産もコンソーシアムの1社として参画。横の連携で価値を創造することで「渋谷の新しい未来を創造していく」(鮫島泰洋・執行役員都市事業ユニット都市事業本部長)枠組みを目指す。NIBは起業支援や新規事業発足支援を目的とした施設で、参加者は運営者や利用者、貸主、借主といった関係を超え、中立的な観点で意見を出し合い、「渋谷のこれからを考えるイノベーション基地」として展開していく。

    ゲーム制作やベンチャーキャピタル事業を手掛ける上場企業のほか、飲食事業、タレントのエージェントやマーケティング事業、高校生起業家の育成などの事業を展開する企業が参加する。参加企業は東急不動産のほか、▽㈱アカツキ▽貝印㈱▽㈱cinra▽㈱FIREBUG▽MIRAI-INSTITUTE㈱▽一般社団法人渋谷未来デザイン▽LOOHCS㈱▽㈱令和トラベル。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.04.02

    リバブル、AIで投資区分Mの提案開始

    東急リバブルは1日、日本電気(NEC)とともに開発した「投資用区分マンションAIマッチングシステム」の本格稼働を開始した。対象は東京23区と武蔵野市、三鷹市の区分マンション。

    リバブルは14年に23区を中心とする投資用区分マンションの専門チームを創設し、仲介などのコンサルティングを行ってきた。今回稼働させたマッチングシステムは、リバブルが保有する約6年間分の過去取引に関する物件特性や希望条件、資金計画などのデータに営業担当者の経験値を加えて、AI技術で投資用区分マンションのおすすめ度を顧客ごとに分析し、スコア化する予測モデルを搭載した。同システムを使い購入希望の顧客にパーソナライズされた物件情報をスピーディーに提供する。売主側に対しては、購入確率の高い買主に優先的に売却物件を紹介することで早期売却を目指す。リバブルの事前検証で、営業経験5年以上の担当者が行う物件選定と変わらない精度を確認している。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.04.01

    東急住宅L、ライナフと「置き配」導入

    東急住宅リースとライナフはオートロックマンションへの置き配を推進するため協業する。東急住宅リースが管理する賃貸マンションにライナフのサポートにより置き配システムを導入していく。4月に6棟で開始し、順次拡大予定。導入費用は運送会社側が負担するため、物件オーナーは費用負担なく入居者の利便性向上を図れる。

    Amazonが提供する「Key for Business」とライナフ製品の「NinjaEntrance(ニンジャエントランス)」を導入する。2つの機器をマンションエントランスに取り付けることで、アマゾンが配達を委託するドライバーとその他の宅配会社のドライバーが届ける荷物を持っている時にオートロックを解除できるようになる。入居者はあらかじめ「置き配」を選択することで玄関前で荷物を受け取れる。機器の設置など導入にかかる費用は、アマゾンのシステムはアマゾンが、ライナフのシステムは同社と宅配業者がそれぞれ負担する。「TSI新宿タワー」「ライトテラス秋葉原」「ケリア西馬込アジールコート」「グランテール代々木」「ライトテラス錦糸町」「ジニア大森西」の6物件で導入し、4月にアマゾンの運用を開始する。ライナフは現在実証中。

    (提供/日刊不動産経済通信)