2021年7月の不動産ニュース

日々、移り変わる不動産市場。
私たちにとって“情報”を理解し、
精査することは何よりの財産です。
ここでは不動産業界のニュースをお届けします。
※記載されている内容は、全て掲載時点のものです。
最新の内容とは異なる場合がありますのでご了承ください。

2021年7月

  • 2021.07.30

    中古M価格、売出から成約で約6%下落

    ―カンテイ、売却期間9カ月で10%値引き


    東京カンテイは29日、中古マンションの売出価格と成約に至った際の取引価格の差額比率(価格乖離率)の調査結果をまとめた。新型肺炎の影響があった20年上期は、首都圏平均の価格乖離率が△7・15%で前期より0・35㌽拡大したが、下期は△6・05%と1㌽以上縮小。売出価格により近い金額で成約している「売り手市場」の現況がデータでも示された。

    同社の高橋雅之主任研究員は「20年下期の価格乖離率は直近10年間でみても最小。需給逼迫により、売出価格が強気に値付けされても小幅な値引きで成約している状況」と説明する。20年上期の売出価格は前期比0・9%下落の3804万円で、取引価格が1・3%下落の3532万円。下期は売出価格が2・1%上昇の3884万円で、取引価格は3・3%上昇の3649万円とともにプラスとなった。

    20年の価格乖離率を売却期間ごとにみると、売却期間が1カ月以内では乖離率が△2・97%。3カ月では△6・40%、9カ月では△10・56%と徐々に拡大し、12カ月では△11・60%となった。また、売却期間が1カ月以内の事例シェアは35・1%で、全体の3分の1以上が売り出し開始から1カ月以内に成約していることが分かる。3カ月以内の累計事例シェアは55・4%と過半を占めた。売却期間ごとに価格乖離率のシェア構成をみると、1カ月以内の場合は「△5%以内」が40・8%と最多で、「0%(値下げなしで成約)」も34・4%と多かった。一方、売却期間が10カ月まで長期化すると、「0%」が2・9%、「△5%以内」が13・4%と少なく、「△20%超」が21・9%まで増加している。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.30

    東急電鉄、博物館をシェアオフィス転用

    東急電鉄は、川崎市で博物館の施設を転用したシェアオフィス「TSO DENBUS(デンバス)ワークスペース」を8月1日に開業する。コロナ禍で長期休業していた「電車とバスの博物館」のB棟を、「大人がワクワクするアミューズメントシェアオフィス」として転用。1年間の暫定活用で沿線の住宅街立地におけるシェアオフィスのニーズを測りながら、遊休資産の活用として取り組む。

    同施設は、東急田園都市線・宮崎台駅から徒歩2分の立地。座席数は29席(休憩コーナー4席)。キャンピングオフィスの「アウトドアスタイル」(9席)、かつて電車として使用した車両「510形」(6席)のほか、電車を運転するシミュレーターなどを設置。入退室や決済は提携するアプリで行い、無人でのシェアオフィス運営が可能。廃材や他事業で残ったデスクなどを用い、今後も駅スペースの一部や設備など遊休状態の資産を活用する。担当者は、「12日に開業した長津田駅のシェアオフィスは、リピートや長時間の利用がみられ、想定より堅調に滑り出した」と語った。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.29

    オフィス空室率、東京は4年ぶり2%台

    ―CBREが2Q需給、小区画の人気上昇


    CBREは全国主要都市における第2四半期(2Q)のオフィス需給動向をまとめた。A・B両グレード(等級)の空室率が東京で前期比0・9㌽増の2・8%と4年ぶりに2%を上回ったほか、大阪で0・4㌽増の2・3%、名古屋で0・5㌽増の2・8%と1年以上にわたり上昇が続く。コロナ禍で働き方に変化が生じ、大都市圏では小規模な区画にいち早くテナントが付くケースが目立つという。

    東京と大阪は5期連続、名古屋は6期連続で空室率が上昇した。東京の空室率はA等級ビルが0・4㌽増の1・9%、B等級ビルが0・7㌽増の2・7%と大型ビルの上昇幅が小さいが「入居者が決まりやすいのは500坪未満の募集区画がほとんど」(CBRE)だという。A等級ビルでは企業らの部分解約や縮小移転が引き続き活発で、坪当たり想定成約賃料は2・1%減の3万6500円に。23年の大量供給を前に賃料調整が進んでいる可能性があると同社は分析し、向こう1年で6・4%下がると予想している。

    大阪市中心部でも需給は緩和基調だ。拡張移転などの需要が前期よりも増えたが、東京と同様、企業らが求める床面積は小型化する傾向だという。実際に想定成約賃料はA等級ビルが1・5%減と下がったが、B等級ビルは横ばいを保った。大阪では22年と24年に大量供給の波があり、大型ビルを中心に貸し手が賃料を下げる動きが続きそうだという。

    名古屋市中心部でも大区画より小区画の人気が高く、100坪未満の貸し借りが多い。A等級ビルの賃料は1・4%減の2万7500円と、四半期単位では7年ぶりに1%を超える下落幅になった。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.29

    トップインタビュー・髙橋東急社長

    ◎渋谷を浮遊するように回遊できるまちへ
    ―東急百貨店本店の再開発は住機能を意識

    東急社長 髙橋 和夫氏


    ―渋谷でまちづくりが進む。

    髙橋氏 渋谷では、東急百貨店本店の再開発を始め、2030年頃を見据えたまちづくりの計画を進めている。東急百貨店本店は、渋谷で不足している住機能を意識した部分を中心に、シンボリックな建物に生まれ変わる。国内・海外の富裕層に向けて、「エンタテイメントシティSHIBUYA」へのニーズを捉えたハイグレードな施設を開発する。連動して、周辺の文化村通りのまちづくりの進展も促していく。渋谷駅周辺では、高低差のある地形を克服して回遊性を向上するエスカレーター「アーバンコア」の配置が進み、15日には地上3~4階の高さで宮益坂を起点とした歩行者動線「ヒカリエデッキ」が先行オープンした。今後は、地上だけでなく2~4階の高さでも渋谷のまちの各所を結んでいく。浮遊するように回遊できて、2層以上の魅力ある空間を創出する。まちの成熟が進む渋谷をつなぎ、面的な厚みを増していく。


    ―23年1月竣工予定の「新宿TOKYU MILANO再開発計画」について。

    髙橋氏 工事の進捗は順調で、リーシングも完了した。高層階のホテルは、東急グループのブランドを軸に、海外の企業をパートナーに迎えて連携しながら、Sクラスのホテルを整備する。高層階のホテルと低層階の商業施設や劇場などの利用者について、それぞれ異なるエレベーターを設置するなど動線を整理して、細やかなオペレーションを実施していく。


    ―沿線のまちづくりについて。

    髙橋氏 目指しているのは、職・住・遊の要素を満たした自律分散型の象徴的な暮らし方を提案するまちづくり。東急線沿線に「住みたい」と思ってもらうことが大切だ。これから販売を開始する新駅直結の超高層マンション「ドレッセタワー新綱島」は、横浜・渋谷の双方に近く、沿線以外からの流入も期待している。たまプラーザや二子玉川で実現した自律分散型のまちづくりも、地域の個性に即して、それぞれ異なった課題に取り組んでいる。マンションのニーズについては、コロナ禍で傾向が大きく変わってきた。以前は沿線の駅近以外の物件では販売に苦戦することもあったが、今はバス便の戸建ても好調に販売が進んでいる。一時的な傾向なのか、中長期で続く変化か、両面を睨んで見極めながら、事業を持続的に推進していく。


    ―まちづくりのDXを実現する社内プロジェクト「アーバンハックス」を設立した。

    髙橋氏 高度なIT人材は引っ張りだこで、まだまだどの企業も不足している。ある程度の母数の人材を採用して、東急グループ内でもITに素養のある人材を育成しながら、組織として力を付けて事業に付加価値を与えるDXを進める。グループで展開している事業は多様でそれぞれ特性が異なるため、試行錯誤を重ねながら、明確な到達イメージを持って、モビリティや家と個人の生活など、多様な暮らしのサービスがつながるDXに進化させていく。


    ―中期経営計画に盛り込まれた「資産回転型ビル事業の強化」について。

    髙橋氏 グループ内の上場リートである東急リアル・エステートは、都心部にある築古のビルをリノベーションして価値を向上する事業の実績が増えてきた。加えて、物件の取得基準が変わり、パイプラインを活用した売却を行いやすい環境が整ってきた。今後はスポンサーとして主導しながら、渋谷を中心としたまちづくりの中で戦略的な役割を組み込んでいく。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.27

    地所調査、コロナ後もテレワーク併用65%

    ―単純作業も「オフィスの方が生産性高い」


    三菱地所は、東京都内に勤務するオフィスワーカー約5000人を対象に、働く環境などを聞いたアンケート調査を実施した。テレワークはコロナ終息後も定着し、オフィスとテレワークの比率は「オフィスのみ」が30%、「併用」が65%、「テレワークのみ」が5%と予想されることが分かった。調査時点でのオフィス・テレワーク比率も2・1程度で、終息後の現実的な想定は同程度だった。

    コロナ終息後の現実的な想定としては、「オフィス100%」は30%、「オフィス50~70%」が42%、「オフィス10~40%」が23%だった。生産性について聞いたところ、「社内ミーティング(ディスカッション)」に関しては約70%の人が「オフィス(対面)の方が生産性が高い」と回答。事務処理や単純作業、資料作成・閲覧についても「オフィス(対面)の方が生産性が高い」と答える人が過半だった。

    ビルの機能や環境については年齢層別にみると若年層で期待度が高く、「ビル共用のカフェテリア・ラウンジ」や「カフェデリバリーサービス」が全年齢層で人気を集めた。現状のテレワーク場所は「自宅」と答えた人が94%だったが、「シェアオフィスを利用したい」という声も21%に達した。同社は「企業の勤務ルール、料金の負担、感染リスクなどの課題が解決されれば、利用が増える可能性がある」とした。

    郊外居住や地方移住、二拠点生活を「実行した」または「実行に向けて検討中」と答えた人は10%程度だった一方、「都心居住」や「自転車通勤」を志向する人も10%程度を占めており、「郊外・地方への人口流出が急速に進むとは言い切れない」と分析している。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.26

    中古M売価、都23区は12カ月連続で上昇

    東京カンテイがまとめた6月の中古マンション70㎡価格月別推移によると、首都圏の売り希望価格の平均は前月比1・7%上昇の4114万円と引き続き上昇した。前年同月比では12・2%上昇と2カ月連続で2ケタ上昇が続く。東京23区は0・4%上昇(前年同月比11・7%上昇)の6329万円と12カ月連続で上昇が続くが、上昇幅は前月から鈍化傾向がみられる。

    東京都が0・7%上昇(前年同月比12・6%上昇)の5711万円と、12カ月連続で価格上昇が続いたほか、1都3県の全域で価格水準が押し上がった。東京都心6区は0・5%上昇(前年同月比10・5%上昇)の9164万円と引き続き上昇傾向で推移。千代田区を除く5区で横ばいから強含みとなった。近畿圏は大阪エリアが牽引し、0・6%上昇(前年同月比5・3%上昇)の2579万円と8カ月連続で上昇した。大阪市は2・0%上昇の3646万円で8カ月連続の上昇。直近3カ月間は上昇率も拡大傾向が続いている。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.21

    売買成約は4・7%増、賃貸成約は微減

    ―6月の4レインズ、在庫数2ケタ減続く


    不動産流通推進センターは20日、全国の指定流通機構のレインズシステムにおける6月の活用状況をまとめた。売り物件の成約報告件数は前年同月比4・7%増の1万7073件となり、4カ月連続で前年同月を上回った。売り物件の新規登録件数と総登録件数は6月も前年同月比2ケタ減が続き、在庫の減少が続いている。

    売り物件の新規登録件数は19・2%減の10万9376件で、15カ月連続で前年同月を下回った。2ケタ減となるのは10カ月連続。総登録件数は23・3%減の29万730件で、12カ月連続での前年割れとなった。2ケタ減は8カ月連続。前月比でも3・2%減と14カ月連続で在庫が減り続けている。成約件数の詳細をみると、マンションが前年同月比3・7%増の6490件、一戸建てが0・5%減の5981件、土地が13・2%増の4110件。エリア別にみると、関東甲信越と中部4県を除くエリアで前年同月を上回った。内訳は、首都圏が5・7%増の6342件、近畿圏が5・3%増の4222件、九州が7・7%増の1537件、中部圏が1・0%増の1445件、北海道が11・1%増の859件、東北が9・1%増の716件、関東甲信越が4・3%減の664件など。

    賃貸物件の成約件数は0・6%減の3万22件となり、4カ月ぶりに前年同月を下回った。新規登録件数は4・1%増の26万4365件で、14カ月連続で前年同月を上回っている。総登録件数は14・7%増の50万5710件で、13カ月連続の前年同月比プラス。前月比では3・2%増と、3カ月連続で在庫が増えている。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.21

    APACの上期ホテル投資額3・7%減

    ―JLL、反動増で下期の回復に期待感


    アジア太平洋(APAC)における今年上期(1~6月)のホテルへの投資額が前年同期比3・7%減の37億米ドルになったことがジョーンズラングラサール(JLL)の調査で分かった。コロナ禍以前の19年上期に比べ18%減ったが、各国で観光自粛や渡航規制の動きが強まるなかで複数の大型取引があった。このため同社は「回復への期待度が高い」とAPACの市場を評価。中国で再び売買が増えていることなどを勘案し、通期の投資額は前年比20%増の70億ドルになると予測している。

    7月に入りアジア圏でコロナの感染者数が再び増えているが、上期時点でホテルの売買市場には活気が戻っていた。JLLの調査結果ではオセアニアを除くアジア圏の投資規模は35・3億ドルとAPAC総額の大部分を占める。中国と韓国、日本の3カ国の合計額は86%に上る。中国の投資額は54%増の13億ドルとコロナ禍にあって回復が早く、サービスアパートメントの区分売却や、用途転換を前提とする築古施設の売却が特に目立ったという。

    日本の投資額は47%減の11億ドルと中国など他地域に遅れを取っている。ただJLLによると下期には日本企業による大型売却が予定されており、投資額が増える見込みだ。一方、オーストラリアの投資規模はもともと小さいながらも312%増の2・15億ドルと増えた。仏アコーインベスト社の売却案件が総額1・34億ドルと大きく、全体額を底上げした。JLL日本の辻川高寛・ホテルズ&ホスピタリティ事業部長は「急激な反動増で下期の投資活動は加速しそうだ」とコメントしている。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.21

    東急、定額回遊宿泊のニーズに手応え

    ―移動しながら暮らすホテル生活が好評


    東急は、全国のグループの施設を選んで移動しながら宿泊できる定額サービス「tsugi tsugi(ツギツギ)」の先行体験の結果を踏まえ、秋以降に規模を拡大して第2弾の募集を行う。応募総数は定員の9倍以上の933件。若い単身の男性が多いと想定していたが女性が4割強、40歳代~50歳代が約50%と予想以上に多かった。加えて、夫婦・親子の世帯が約80%、会社員・公務員も過半数で、コンセプトの「旅するような暮らし方」に幅広い層からのニーズがみられた。将来的に1000人以上の利用者規模の拡大を目指し、サービスを拡充していく。

    「ツギツギ」は、日本全国の東急ホテルズと東急シェアリングのうち計39施設で、1泊から60泊まで場所を選んで滞在できる定額制回遊型の宿泊サービスを4月29日~7月1日に実施した。先行体験では30泊50人、60泊50人を受け付けた。渋谷など都市型ホテルのほか、宮古島や軽井沢などリゾート施設も対象とした。応募933件の属性は、女性43%、男性57%。年齢別では20歳代~30歳代が27%、40歳代~50歳代が47%と、想定とは異なる多様な層からの応募があった。加えて、家族構成は単身者18%、夫婦43%、親子33%、職業では会社員・公務員が5割超と、回遊型の宿泊サービスが利用可能な層の広がりがみられた。利用施設は、渋谷や横浜の都市型施設が多く、移動費用の負担感や東急グループの他施設との連携、地元やサービス利用者同士のコミュニティ醸成などを課題として挙げた。

    今後は、新しい暮らし方を提案するサービスとして、第2弾の募集も拡大し、将来的には1000人以上の規模での実施を想定。グループの施設との連携等も図るなど、サービス拡充も進めていく。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.13

    6月の中古戸建成約数、過去最高を更新

    ―東日本レインズ、マンションは5%増


    東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は12日、6月の不動産流通市場動向を公表した。首都圏の中古マンション成約件数は前年同月比5・0%増の3262件。6月の過去最高を更新した19年と比較すると、6・6%下回った。直近10年間では6月として4番目の水準。中古戸建ての成約件数は前年同月比15・2%増の1329件となり、6月として過去最高を更新した。

    中古マンションの成約㎡単価は前月比1・4%上昇の59・42万円と再び上昇に転じた。前年比では11・1%の2ケタ上昇で、前年超えは14カ月連続。成約価格は前月比1・6%上昇の3873万円。前年比では9・4%上昇し13カ月連続で前年を上回った。一方、減少が続く新規登録件数は前年同月比19・2%の2ケタ減となる1万3049件。前年割れは22カ月連続となった。在庫件数は26・2%減の3万3641件で、前年比2ケタ減となるのは11カ月連続。前年割れは19カ月連続だった。前月比でも0・5%の減少で、13カ月連続で在庫が減り続けている。成約数をエリア別にみると東京都区部と多摩以外の地域が前年比で増加。都区部は0・2%減の1309件だった。

    中古戸建ての成約価格は前月比9・3%上昇の3541万円と再び上昇に転じた。前年比では18・2%の上昇で、前年を上回るのは8カ月連続となった。新規登録件数は前年同月比22・7%減の4152件で前年割れは16カ月連続。在庫件数は33・4%減の1万4159件で13カ月連続の前年割れとなった。2ケタ減となるのは10カ月連続。前月比でも3・4%減となり、16カ月連続で在庫が減り続けている。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.13

    東急百貨店、渋谷で食のマーケット完成

    東急百貨店は10日、渋谷マークシティの「渋谷 東急フードショー」をグランドオープンした。渋谷地区で、大型食品売り場3拠点を合わせて約240店・延床面積約1万㎡に及ぶ、食の一大マーケットが完成し、年間250億円の売上高を目指す。

    渋谷駅周辺では、再開発計画の進捗とともに、渋谷スクランブルスクエア内に「東急フードショーエッジ」(19年11月開業)、渋谷ヒカリエ地下の「東横のれん街」(20年5月リニューアル)に加えて、渋谷マークシティ内で合計104店舗の「渋谷 東急フードショー」が全面開業。コアターゲットを25歳~40歳代の富裕層とし、従来顧客層に加えて、新たな若い顧客の開拓に取り組む。今後は、モバイルオーダーアプリの試験運用を年内に開始。22年に本格開始して、指定の場所へのデリバリーや店内のロッカーでの受け取りなどを可能にして利便性を向上していく。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.12

    国交省、盛土の全国的な総点検に着手

    ─熱海の土石流受け、標高差から抽出へ


    国土交通省は、静岡県熱海市での土石流災害の発生を受け、全国的な盛土の総点検を始める。国土地理院のデジタルマップの2時期を比較して、標高差が「+5m以上」に変化している箇所を抽出。1カ月後をメドに抽出結果を関係省庁や地方自治体に提供する。盛土地に対する点検の方針は他省庁と連携し今後決める予定で、まずは盛土地の数の実態把握を急ぐ。

    国土地理院の基盤地図情報数値標高モデルを用いる。地形改変前(00年頃まで)のデータと、地形改変後(08年以降)のデータを比較し、標高差分を調べる。どのような用途の土地かは問わず、標高差が+5m以上になっている「盛土可能性箇所」を見つけ出す。

    地形改変前のデータは、2万5000分の1の地形図データを基に作成されている。全国をカバーするが、標高精度は5mで、精度としてはそれほど高くはない。地形改変後のデータは、航空レーザ測量により作成され、標高精度は0・3mと精度には優れるが、カバー率は全国の7割程度。主要都市部・河川等は整備済みであるものの、人の居住のない山岳地帯を中心に3割は未整備エリアがある。そのため、全国的な調査ではあるが3割は比較できない場所がある。また、00年頃以前および08年以降の、比較の2時点の間にない時期に盛土が行われた場所も把握の対象外となる。

    盛土地は、宅地造成を目的に盛土された「大規模盛土造成地」だけでも全国に約5万1000箇所存在する。不動産業者などが過去に宅地造成で盛土を行った箇所について国交省は、「各局が所管する法令で開発され、法律が守られているものであれば、そういうところの点検までは必要ないのではないかと思われる」(都市局都市安全課)と現時点での見解を述べた。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.12

    東急電鉄、定期売場をシェアオフィスに

    東急電鉄は12日、東急線で武蔵小杉駅と長津田駅の定期券の売り場を改装したシェアオフィスを開業する。暫定的に個人向けサービスとして1年間活用。駅の機能を拡充し、利用者のニーズに応える有効活用を探る。

    武蔵小杉駅には「TSOエキ de work Kosugi」(5席)、長津田駅では「TSOエキスル長津田」(9席)を設置する。利用料金は15分100円(長津田は1日最大1000円)。Wi-Fiやコンセントを備え、長津田駅は席でウェブ会議も可能。オフィス家具は月額課金型サービス「サブスクライフ」で調達し、入退室や決済はワークプレイス提供アプリ「Suup」で行うため、開業まで準備期間は約2カ月、費用は100万円台と低コストでサービス開始を実現した。ほぼ無人で運営し、60%ほどの稼働で採算性を見込む。駅係員や乗務員など利用者と接点を持つ多様な人材の活用で、細やかなニーズの把握を行い、駅の特性に合ったワークスペース需要を獲得する。

    今後は、宮崎台駅に近接した「電車とバスの博物館」内に、「TSO DENBUSワークスペース」(30席)を8月1日に開業する。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.09

    都心オフィス空室率、7年ぶり6%台に

    ―三鬼ら調査、港区の需給軟化傾向が鮮明


    三鬼商事がまとめた6月末時点のオフィスビル需給動向によると、東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均空室率は前月比0・29㌽増の6・19%と7年ぶりに6%台に乗った。一部の新築ビルに空きが残ったほか、既存ビルにも大型解約が出たことなどが影響した。空室率は16カ月連続で上昇。坪当たりの月額賃料も2万1160円と昨年6月に比べ1720円下がるなど需給は緩和基調だ。

    5区全体の空室は1カ月で約2・5万坪増えた。新旧別の空室率は新築ビルが前月比0・88㌽増の9・85%、既存ビルが0・26㌽増の6・12%。新築は大規模ビル2棟を含む4棟が竣工し、一部に空きが残った。新築の空室率は昨年6月に比べ7・34㌽も上がった。

    需給状況を区ごとにみると、空室率は新宿区を除く4区が前月比で上昇。新宿区は解約の動きが小さく、小規模な成約もあり前月比0・15㌽減の6・32%と低下。一方、港区は既存ビルに大型の解約があり、0・5㌽増の8・05%と5区で唯一、8%台に。このほか渋谷区は5区以外に転出する企業などが増え、0・66㌽増の6・68%と2カ月連続で6%台に乗った。

    港区の需給が軟化する傾向は、オフィスビル総合研究所(東京・中央区)の調査結果でも顕著だ。同社の集計では、都心5区における6月末時点の空室率は前月比0・3㌽増の3・61%、空室率の先行指標となる潜在空室率は0・15㌽増の7・3%。5区のうち港区の空室率は0・77㌽増の4・67%、潜在空室率は0・33㌽増の9・17%といずれも最高値だ。5区全体では空室率が潜在空室率を3カ月連続で上回った。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.09

    リクルート、夫婦の賃貸住宅探しを調査

    ―単身より家での快適性を求める傾向強い


    リクルートは、賃貸住宅に住む20歳代、30歳代夫婦の住まいと生活について調査した結果を「夫婦の住まいと生活 じっくりレポート2021」としてまとめた。夫婦の部屋探しでは1人暮らしと比べて、重視条件で「間取り」や「日当たり」などを選ぶ割合が大きく、家での快適性を求める傾向にあることが分かった。

    調査は関東地方に住む20歳代、30歳代の男女既婚者に2月に実施。有効回答数は412。夫婦の重視条件は「家賃」が75%と最も多く、そのほか「通勤・通学時間」「最寄り駅からの徒歩分数」「路線・駅やエリア」など交通利便性を重視する項目がすべて50%以上となり上位を占めた。「間取り」は3位に入り、1人暮らしでは49%だったが、夫婦では56%と高かった。また「日当たり」も、1人暮らしでは32%だったが、夫婦では44%と高かった。実際に選んだ間取りは「2LDK」が全体の34%で最多。「2DK」(13%)より「1LDK」(24%)を選んだ人の方が多く、リビングのある間取りを好む傾向となった。10年の調査では、「2LDK」の次に「2DK」「1LDK」と続いたが、17年の前回調査から逆転した。

    月額家賃は「8万円台」が14%で最多だが、「6万円台」が13%、「9万円台」が12%、「15万円以上」が12%、「7万円台」が9%、「10万円台」が9%など、ばらつきも大きい。現在使っていて便利に感じている仕様・住宅設備では、「契約時の決め手」でもトップだった「バス・トイレ別」が1位。「追い焚き機能」が3位、「独立洗面台」が5位に入っており、スムーズな生活動線を意識した水まわり住宅設備が上位を占めた。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.08

    東急、二子玉川でオフィスビルを開業

    東急は、東京・世田谷区で資産活用コンサルティングを行ったオフィスビル「睦(むつみ)ビル 二子玉川」をこのほど開業した。職住近接やテレワークなど新たなライフスタイルに応え、二子玉川エリアの自然を感じながら働けるオフィスビルを開発した。

    同ビル(世田谷区玉川2―16―6)は、東急田園都市線・二子玉川駅から徒歩6分の立地。RC造4階建て、延床面積2247・22㎡。竣工は6月30日。施工は東急建設。土地建物の所有者は睦特殊金属工業㈱、コンサルティングと運営管理は東急。1~3階はオフィスとして東急が賃借して転貸し、4階は睦特殊金属工業の本社とする。住宅地に近接して、多摩川沿いの良好な環境で働ける中規模オフィスとして1日に開業。リーシングは東急が順調に進めている。

    東急は今後、沿線を中心とした土地オーナーに向け、資産価値向上・課題解決に向けた提案を行い、住宅地に近接したシェアオフィスやスモールオフィス等も含めて、様々な物件の開発に取り組んでいく。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.08

    フラット35金利、3カ月連続の下落

    住宅金融支援機構は、フラット35取扱金融機関が適用する7月の融資金利を発表した。フラット35(買取型)で融資率9割以下、借入期間21年以上の融資金利幅は1・33~2・1%(前月1・35~2・15%)。取扱金融機関が提供する金利で最も多い最頻金利は1・33%(1・35%)で3カ月連続で下落した。融資率9割超で借入期間21年以上の場合の融資金利幅は1・59~2・36(1・61~2・41%)。最頻金利は1・59%(1・61%)で3カ月連続の下落となった。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.07

    東急住宅L、賃貸Mの駐車場を有効活用

    東急住宅リースは、タイムズ24とタイムズモビリティの2社と業務提携を結んだ。東急住宅Lが管理する全国の一棟賃貸マンションの空き駐車場で、タイムズ24が提供する駐車場シェアリングサービスとタイムズモビリティのカーシェアリングサービスの導入を物件オーナーに提案し、展開していく。

    一棟賃貸マンションの平置き駐車場と自走式の立体駐車場の空き区画が対象。東急住宅Lの管理物件のうち、条件に合致し空いている駐車場は約600区画。順次オーナーに提案し、了承を得られた物件から導入を進める。遊休資産となっていた駐車場スペースを1区画から活用し、オーナーの収益拡大に加え、入居者の利便性向上を図る。タイムズ24の「タイムズのB」は、空き駐車場を有効活用したいオーナーと駐車場を確保したいドライバーをマッチングする会員制サービスで、ドライバーは事前予約し駐車場を利用できる。タイムズモビリティの「タイムズカー」は、15分単位で利用できるカーシェアサービス。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.06

    住宅ローン利用者、「変動型」が約7割

    ─住金機構、1年後の金利は「上昇」微増


    住宅金融支援機構は、「住宅ローン利用者の実態調査調査(21年4月)」をまとめた。利用した金利タイプは「変動型」が68・1%(前回20年11月調査時は62・9%)に増加した。固定期間選択型は20・7%(24・5%)、全期間固定型は11・2%(12・6%)で、ともに前回から減少している。

    購入した住宅の種類と金利タイプの調査では、変動型の利用割合は「新築マンション」が75・6%で最も多かった。固定期間選択型の利用割合は「注文住宅の建替え」で38・9%となり最多。全期間固定型も、「注文住宅の建替え」での19・4%が最多だった。

    今後1年間の住宅ローンの金利見通しは、「ほとんど変わらない」が65%(前回66・1%)が前回と同様最多となったが、「現状よりも低下する」が3・5%(7・3%)に減少。一方で、「現状よりも上昇する」は20・4%(18・1%)に、「見当がつかない」が11・1%(8・4%)に増加した。世帯年収は、いずれの金利タイプも「400万円超~600万円以下」と「600万円超~800万円以下」の年収範囲にある世帯が全体の5~6割を占めた。融資率は、いずれの金利タイプも融資率「90%超~100%以下」の利用割合が約3割で最も高かった。

    回答者のうち、フラット35利用者(101件)がフラット35を選んだ理由は、「返済額を確定しておきたかった」が49・5%で最多。次いで、「金利が低い」が41・6%だった。フラット35以外を選んだ利用者(1399件)は、「金利が低い」が71・8%で最も多かった。20年10月~21年3月までに住宅ローンの借入をした1500件を調査した。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.06

    東急不系、ジム運営の非店舗事業を強化

    ―ビデオでパーソナル指導、大手では初


    東急不動産ホールディングス傘下の東急スポーツオアシスが非店舗型事業を強化している。パーソナルトレーナーのビデオ通話やメールでやりとりできるオンラインの新サービスを今月中旬から開始する。こうしたサービスは大手スポーツクラブでは初めて。3年間で会員60万人超を目指す。オンラインを契機にリアル店舗でのトレーニングにもつなげていく。

    ジム運営事業はコロナ禍で大きな打撃を受けた。同社でも昨年4月以降の1年間で、退会者は前年の約1・4倍に増え、昨年の売上高は約3割減少した。一方、外出自粛に伴う運動不足で、自宅でのトレーニングのニーズは急拡大。エクササイズの無料動画も数多く配信されているが、新規ユーザーにとって継続が課題で、動画の視聴だけでは限界もある。コーチング機能を備えたパーソナルジムも人気だが高額なサービスが多く、今回の新サービス「ウェルタッグ」はそれよりも安価で個人指導を受けられるのが特徴だ。

    従来のパーソナルトレーナーなどに加え、管理栄養士や臨床心理士など多彩なトレーナーを集め、好みのトレーナーを選べる。まず約200人のトレーナーでスタートし、来年末には2000人に拡大する。月に4回の指導(セッション)が受けられるプラン(月額1万5400円)の場合、毎週1回30分程度のセッションで日々のトレーニング内容の確認や改善指導が受けられ、メールによる質問などもいつでも可能。料金は長期で利用しやすい価格に設定した。

    同社は6月に新たな経営戦略として、店舗型、ホームフィットネス、デジタルヘルス、健康経営コンサルの4事業に再編し、業態変革に取り組み始めていた。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.05

    東急不ら、札幌すすきので大型複合ビル

    ―ラフィラ跡、来街者や来街時間を拡大


    東急不動産など5社は2日、札幌市中央区のすすきの交差点に面した商業施設「ススキノラフィラ」跡地に開発する複合施設の計画概要を発表した。商業施設やシネマコンプレックス、約470室のホテルなどで構成。規模は地上18階地下2階建て、延床面積約5万3378㎡。夜のにぎわいで知られるすすきのエリアの玄関口に、開発を通じて昼のにぎわいも創出し、来街者と来街時間の拡大を目指す。

    事業者は東急不動産のほか、竹中工務店、イトーヨーカ堂、アインファーマシーズ(札幌市)、キタデン(同)。2日に新築工事に着手した。設計・施工は竹中工務店が担当する。すすきの交差点に面し、札幌市営地下鉄南北線・すすきの駅に直結する。地下や低層階には食品スーパーマーケットやコスメ&ドラッグストア、5~7階にはTOHOシネマズのシネマコンプレックス(10スクリーン、約1800席)、7~18階は東急ホテルズのホテルが入居する。

    繁華街の玄関口、地下鉄直結という立地特性を生かした施設を企画した。すすきの交差点から直接アプローチできる2~3階の屋内外広場を設け、広場やオープンスペースの少ないすすきの中心部に緑のある広場を創出。様々なイベントも開催していく。1階には屋内貫通通路、路線バスの待合所を設置し、乗り換えをしやすくする。共同の荷捌きスペースも整備することで、路上駐車の抑制も図る。広告看板が印象的なすすきのの特性も踏まえ、北側外壁面には大型ビルボードを設ける。

    建物の高さは約78m。竣工・開業は23年秋を予定している。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.02

    21年路線価、全国平均が6年ぶりに下落

    ―36年連続トップの鳩居堂前もマイナスに


    国税庁は1日、21年分の路線価(1月1日時点)を公表した。全国の平均値(標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均)が△0・5%となり、6年ぶりに下落に転じた。国土交通省の地価公示価格等を基にした価格(時価)の約8割で評価される路線価は、今年の地価公示の傾向と同様、新型コロナウイルスの感染拡大を受け全国的に前年比マイナスが目立った。

    路線価全国トップで知られる東京・中央区銀座5丁目の「銀座中央通り(鳩居堂前)」にも影響はみられた。鳩居堂前の1㎡当たり路線価は4272万円(△7・0%)。36年連続で全国最高価格地点となったものの、9年ぶりに下落に転じた。最高路線価が上昇した都市は8都市に減少(20年は38都市)。横ばいの都市は17都市(8都市)に増え、下落した都市は22都市(1都市)に大幅増となった。都道府県庁所在都市のなかで、最も上昇率が高かったのは仙台の青葉区中央1丁目「青葉通り」で、1㎡当たり330万円(+3・8%)。都道府県別でも前年比マイナスが目立つ。路線価が下落したのは39都府県となり、前年の26県から増加した。最も路線価が上昇したのは福岡県(+1・8%)。最も路線価が下落したのは静岡県(△1・6%)だった。

    首都圏は東京都△1・1%(+5・0%)、神奈川県△0・4%(+1・1%)、埼玉県△0・6%(+1・2%)、千葉県+0・2%(+1・2%)となり千葉以外で下落した。近畿圏は、京都府△0・6%(+3・1%)、大阪府△0・9%(+2・5%)、兵庫県△0・8%(△0・1%)、奈良県△1・1%(△0・3%)。

    東京国税局管内では、上昇18地点(71地点)、横ばい20地点(10地点)、下落45地点(1地点)だった。都区部で最高地点は鳩居堂前、東京多摩地域の最高地点は「立川市曙町2丁目」が1㎡当たり579万円で16年連続最高。神奈川県は「横浜市西区南幸1丁目」で1608万円。千葉県は「船橋市本町1丁目」が208万円となり、7年連続県内トップ。

    地価公示同様、コロナ禍でインバウンド需要が消滅した大阪国税局管内のエリアの下落幅が大きい結果となった。昨年は、年の途中で地価が大幅に下落したことにより路線価が時価を上回る地点が出現。初の補正を導入することとなった。国税庁は、「社会経済の不透明感が強まっている。引き続き21年分についても地価動向の調査を実施し、年の途中で大幅な地価下落がみられれば20年分と同様、路線価等の補正を行う」としている。

    21年分の路線価に対し、業界からは次のようなコメントが寄せられた。


    菰田正信・不動産協会理事長 コロナ禍の中での経済の状況等が地価に影響したものと認識している。コロナ禍を乗り越え、経済回復を確実なものとするとともに、新たな成長の原動力となる脱炭素化やデジタル化、国土強靱化等に資する国内設備投資や、内需の柱である住宅投資を促進させるために必要な施策を引き続き躊躇なく総動員していくことが不可欠だ。

    坂本久・全国宅地建物取引業協会連合会会長 都道府県庁所在都市の最高路線価の上昇都市は前年分より大幅に減少した。一方、直近の国土交通省の地価LOOKレポートでは、下落、横ばい地区が減少し上昇地区が増加していることから地価の回復傾向がうかがえること、全宅連不動産総合研究所の土地価格DI調査では4月時点の土地価格の動向は、実感値で全国平均がプラスに転じたことから、足元の確実な回復に期待するものである。

    秋山始・全日本不動産協会理事長 評価基準額の対前年変動率全国平均値が6年ぶりに下落に転じるなど、コロナ禍の停滞状況がいまだ継続していることが見て取れる。今後、8月下旬発表の「地価LOOKレポート」第2四半期と9月下旬発表の「都道府県地価調査」など市場の動向を見定めるうえで非常に重要な指標のリリースが続く。引き続きこれらを注視するとともに、全国3万3千社余りの会員を通じて現場から届く生の声をつぶさに把握していく所存だ。

    吉田淳一・三菱地所社長 新型コロナウイルスの影響を受けた結果となったが、働き方の変化などに伴い、不動産事業においては新たなニーズも生まれてきている。引き続き状況は注視していく必要があるが、当社グループとしても、そのような社会の変化に柔軟に対応しながら、事業を推進していく。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.02

    東急、まちづくりDXの開発組織を発足

    ―豊富なリアルのアセットとDXをつなぐ


    東急は1日、デジタルトランスフォーメーション(DX)の街への実装を加速する新組織「デジタルプラットフォーム準備プロジェクト」を発足した。東急グループの豊富なリアルの顧客接点と自社で開発するデジタルサービスをつなげ、顧客の視点から体験価値の向上を目指すまちづくりDXプロジェクト「Urban Hacks(アーバンハックス)」に取り組む。3カ月でソフトウェアを開発する高度なIT人材10人程度を採用し、グループのデジタルサービスの改善・開発に向けて精査を進めていく。

    同プロジェクトは、まちづくりのDXに取り組む専門組織として、スクランブルスクエアのWeWorkに設立した。年間で延べ11億人に及ぶ沿線利用者など顧客との接点と、内製化して開発するデジタルサービスをつなげ、ユーザー体験を優先した立場から便利で魅力的なまちづくりDXプロジェクトに取り組む。

    今後は、3カ月でソフトウェア開発の内製化でコアとなる人材10人程度を採用予定。将来的に50人以上を見込む外部人材と、グループ内部の人材を融合し、顧客体験を改善するアプリケーションの開発を行う。実証実験を進める「DENTO」や「TuyTuy」も含めたデジタルサービスの連動性・統一性を高めるほか、新宿や渋谷の新たな大規模施設へ新しいサービスの実装も視野に入れて、プロジェクトを推進する。

    プロジェクトオーナーを務める宮澤秀右・特命部長は、「デジタルとリアルが高度に融合した都市は世界でもまだない。デジタルをフル活用したサービスの実装によって、世界一住みたくなる沿線を実現したい」と抱負を語った。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2021.07.01

    東急と地所レジ、ベトナムの大型M竣工

    ―9割で成約済み、スマートホームS導入


    東急の子会社でベトナム・ビンズン省で開発を推進するベカメックス東急と三菱地所レジデンスが設立した合弁会社は、ビンズン省の省都・ビンズン新都市で大規模マンションプロジェクト「SORA gardensⅡ」(557戸)をこのほど竣工させた。既に約9割の住戸が成約済みと販売は好調。全戸にスマートホームシステムを導入した。2ベッドルームで約85㎡、1500万円台の価格帯の住戸を中心に、現地の富裕層や台湾、中国などの外国人が購入。合弁会社への出資比率はベカメックス東急55%、地所レジ45%。

    同物件は、ビンズン新都市の玄関口に位置する。敷地面積7948㎡、24階建て、延床面積8万1909㎡。専有面積53~117㎡(最上階のペントハウスを除く)。7月に引き渡しを開始する予定。専有部は、2ベッドルーム・約85㎡の住戸が最多。全戸でスマートホームシステムを導入し、スマートフォンから玄関扉や家電製品の遠隔操作が可能となっている。1階に商業区画を設けて、4階には住民専用の25mプール、ジム、サウナやゲストルーム(2部屋)、バーベキュー広場、キッズパークなどの充実した共用施設を備えた。

    19年10月に販売を開始した。中心価格帯は1500万円台で、約9割の住戸が成約済み。契約者は、現地の富裕層を中心にベトナム人が約7割。ほかに、台湾が約15%、中国が約1割、韓国が約5%など。

    ベカメックス東急は、ビンズン新都市で全体面積1000haに及ぶ大規模まちづくりを推進している。今後も、地所レジとの合弁会社を通じた大規模マンションの開発などを検討している。

    (提供/日刊不動産経済通信)