区分マンション投資のプロフェッショナル戦略
区分マンション投資における
借り入れ金利とインフレ対応
- #変動金利
- #固定金利
- #インフレヘッジ
それぞれの金利がどのようにして決まるのか、その仕組みを理解しましょう。
また、2022年後半から顕著になった物価上昇(インフレ)と賃料の関係も合わせて解説します。
借り入れ金利の2つのパターン
不動産投資を行う際には、特に区分マンション投資では比較的借り入れをしやすい投資ですので、たいていの方は、自己資金は1割~2割程度で、残りは金融機関からの借り入れで購入されます。金利によって支払金額に差がでますので、金利はとても気になるところです。
金融機関からの借り入れにおける金利には、2つのパターンがあります。
市況により金利が変化する「変動金利」と金銭消費貸借契約(借入の契約)を交わした時点の金利が一定期間続く「固定金利」の2パターンです。
変動金利について
変動金利は、融資期間中、金融機関の基準金利が変化するごとに上下する金利で、各金融機関が「短期プライムレート」を基準にしており、一般的には半年ごと(毎年4月1日、10月1日)に利率の見直しを行っています。
短期プライムレートとは、銀行が企業に融資する上で、優良企業に適用する最も優遇された金利のうち、1年以内の短期間で貸し出す際の金利のことを言います。短期プライムレートは、金融機関同士がお金を貸し借りする際に適用される「市中金利」に連動しており、さらに、その市中金利をコントロールしているのが、日本銀行が設定する短期金利「政策金利」です。住宅ローンの変動金利は、一般的に日銀の政策金利に大きく影響されます。
固定金利について
固定金利は、1年、3年、5年、10年全期間固定など定められた一定の期間中、利率が固定されている金利のことを言います。不動産投資ローン固定金利は長期金利(≒長期プライムレート)の影響を受け、長期金利は、今後の長期間にわたるインフレ、デフレや短期の金利に関する予想などに大きく左右されますが、一般的には主に10年物国債の影響を受けると言われています。
インフレと不動産投資について
22年3月ごろから物価上昇(インフレ)が目立ってきました。全国消費者物価指数を見ても、気候の変動を受けやすい生鮮食料品を除いたコア指数は2%を超えることが珍しくなくなっています。インフレ下における不動産投資は、有効なのでしょうか?
まずは「インフレとは何か」から考えてみましょう。
インフレとは、物価が上がり続けて、お金の価値が下がり続けることを言います。たとえば、1冊100円で売られているノートがあるとします。これは、この時点でモノの価値と100円は釣り合っていると言えます。しかし、数年後、ノートが1冊120円になると、100円では釣り合わず、ノート(モノ)の価値が上がったということになります。これが、インフレーションです。
インフレはモノの価値が上昇する反面で「お金の価値の下落」も意味します。それでは、現金をそのまま保有しているとどうなるのでしょうか?
インフレ率が3%での仮定
100万円を仮にインフレ率3%の状況下で現金としてそのまま持ち続けた場合は、1年後に97万円、5年後には85.9万円(マイナス14.1万円)、10年後には73.7万円(マイナス26.3万円)に価値が目減りしてしまいます。
インフレに弱い資産としては、
・ 定額年金
・ 運用性の高い終身・養老保険
・ 預金(特に長期の定期預金)
・ 債券(特に満期までの期間が長期のもの)
などが挙げられます。これらはインフレ状況下では価値が目減りしてしまい、実質的に「損」をしたことになります。
一方で、一般的に、インフレ状況下では、不動産を保有する方が得策と言われています。不動産はモノですので、インフレ時には不動産価格も上昇するからです。そして賃料もインフレに連動します。
昨今はデフレが続いてきましたが、これまでの長い歴史のなかで、物価上昇に連動して不動産価格や家賃も上昇してきました。
このように、不動資産を持つこと、賃料収入のある不動産を持つことは、インフレ対応になることから、不動産投資が選ばれています。