区分マンション投資のプロフェッショナル戦略
なぜ中古物件が人気なのか?
中古区分マンション投資の優位性
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区分マンションへの投資では、想定した購入金額の中で、まず新築か中古かという選択、そしてワンルームや1LDKなどの単身向けかファミリー向けか、という部屋のタイプを選択して投資を行います。ここでは、区分マンション投資の物件選び「新築か中古か」について、メリットデメリットを解説します。
新築物件が減り中古物件に注目が集まった理由
区分マンション投資と言えば、かつては新築物件を購入する方が圧倒的多数でした。とくに、2000年代前半は、賃貸マンション適地(土地や立地が相応しい)が多く供給され、それに伴い販売戸数も増大しました。しかし、その後、供給量は大きく減りました。適地が不足してきていることに加えて、ビジネスホテルや分譲マンション向けの需要が増えて、土地仕入れにおける価格競争が激化してことが背景にあります。
区分マンション投資では「立地」は最重要ポイントであるため、好立地を仕入れたいデベロッパーが増え、マンション用地はかなり高騰しました。仕入れ原価を考えると、利回りが伸びない、またキャッシュフローがよくならない、ということで、賃貸マンション開発の勢いがなくなってきたわけです。
こうして、昨今の都心の区分マンション投資における新築物件は、好立地だけど「高すぎて利回りの低い物件」「毎月のキャッシュフローがマイナスの物件」ばかりとなってしまったわけです。
また、2013年春以降、我が国では「異次元の金融緩和策」を実行し、金利が徐々に「歴史的な水準」にまで低下しました。また合わせて「インフレ目標を2%にする」と日銀が表明したこともあって「低金利のメリットの享受」と「インフレ対応策」の2つを兼ね備えた「賃貸住宅投資」を行う方が一気に増えました。
そこで、注目を集めたのが「中古の投資用区分マンション」だったというわけです。
中古物件の優位性(投資の際のメリット)は、大きく2つあります。
1つ目は、新築物件と比べて相対的に価格は安くなります。新築物件はデベロッパーが一定額の販売経費を上乗せしていますので、割高感があります。一方で、新築物件は多少賃料が高く取れますので、利回りで比較すれば、大きな違いがないことが多いようです。しかし、当たり前ですが、新築物件も年数が経てば「新築プレミアム」と呼ばれる賃料の上乗せがなくなります。
2つ目は、物件の豊富さです。新築物件は先に述べたように、販売件数が少なく、また希望するエリアに、タイミングよく販売があるとは限りません。一方、中古物件は、多少の波はありますが、新築物件以上に豊富に売り出し中の物件があります。希望のエリア、想定する価格帯の物件、など多くの情報を集めれば「これだ!」と思える物件に巡り合う可能性が高いと言えるでしょう。
中古区分マンション購入時に注意しておきたい事
一方、注意しておきたいのは、以下の2点です。
1つ目は、中古物件ですので、一定以上の年数が経過している物件だと、ある程度のメンテナンスコストがかかることは覚悟しておいた方がいいでしょう。修理修繕費だけでなく、エアコンや給湯器のように一定年数経てば取り換える必要のある設備もあります。
2つ目は、借り入れで購入する際の融資期間です。一般的には築年数に応じて融資期間は短くなります。融資期間が短くなれば、月々の返済金額が多くなり、月ベースのキャッシュフローはよくなくなります。(これは、現金で購入する方には関係ありません。)
激安中古物件はお買い得か?
いくつもの区分マンションに投資を行っている方の中には、築年数が古く、利便性も良くない立地の物件を格安で購入し、高い利回りを狙う方がいます。こうした物件の購入は、物件の目利きがしっかりとでき、市況を上手く読むことができる方以外は、避けた方が無難です。少なくとも、「初めての投資物件」に選ぶのはNGだと思います。
第2回でもお伝えしましたが、不動産に限らず投資の大原則は「リスクとリターンは表裏一体」ということです。利回りが高い=リスクが高い、ということです。築年数が古い物件への区分マンション投資では、空室リスクが高く、高い賃料下落リスクが高く、また手放そうとする際の価格下落リスクが高い、と言えます。ここでいう「リスクが高い」は「その確率が高い」ということですので、上手くいくことも少なからずありますが、避けた方が無難でしょう。