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区分マンション投資のプロフェッショナル戦略

区分マンション投資で、
分譲ファミリーマンションタイプはアリか?

区分マンション投資で、分譲ファミリーマンションタイプはアリか?|イメージ
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投資対象となる区分マンションのタイプは、近年多様化してきています。これまでも現在も投資用の区分マンションと言えば、都市部のワンルームタイプが主流です。しかし、最近は実需想定の分譲ファミリーマンションも一定割合は賃貸用として購入している方がいるようです。東京五輪選手村で使用された晴海フラッグは、その後分譲マンションとして販売され、人気が高く、抽選の高倍率が話題となりました。晴海フラッグ購入者の声を聞けば、一定数の方が自身で住む予定はなく、賃貸として貸し出すことを見込んでいるようです。
区分マンション投資における、これら2タイプの比較をして「どちらがより有利か」を検討してみましょう。

目次
分譲マンションの投資の目論見と不安視
部屋の広さと賃料のブレ幅
ワンルームマンション投資の魅力

分譲マンションの
投資の目論見と不安視

分譲マンションを賃貸用物件として貸すことを前提とした投資では、賃料収入(インカムゲイン)だけでなく、昨今の中古マンション市場を見通して、値上がり益(キャピタルゲイン)も期待していると思われます。
このところのマンション価格の上昇の動きとファミリータイプ(70㎡想定)の賃料上昇の動きをみていれば、たしかに分譲マンション仕様のファミリータイプ物件の賃料は少しずつ上昇していますが、マンション価格の上昇は、それをはるかに上回る上昇率です。

分譲マンション投資|イメージ

そのため、投資利回りはかなり低く、キャピタルゲインが期待できる都心の一等地では2%台~3%台前半となっています。このところのJREITの平均利回りは4%を超えた水準ですので、高級分譲マンションへの投資は「インカムゲイン狙いの投資として厳しい」という状況で、多少のインカムゲインを狙いながら、投資の本命は「値上がり期待」ということになるでしょう。つまり「確実に値上がりが、期待できる」という物件以外は手を出さない方がいいということです。

特に新興カップルに人気が高く、賃料も高く取りやすい駅至近のタワーマンションで、このように投資目的で購入することが多いようです。最近竣工した平均単価が1億円を超えた総戸数が1000戸を超えるタワーマンションでは、そのうちかなりの数が投資用に購入したようで、賃貸として貸し出されている部屋が相当数あるようです。
はたして、こうした物件は長期的にみて、値上がり期待があるのでしょうか?管理組合は、上手く機能するのか? 築後15年前後で行われる1回目の大規模修繕は上手く進むのか?
いまは値上がり基調のマンション市況ですが、これが少しでも値崩れが起こる兆候がでれば、厳しい現実が待っているものと思われます。

部屋の広さと賃料のブレ幅

部屋サイズの大きな賃貸住宅では、さらに「不都合な真実」があります。
賃貸マンションの賃料は、景気悪化時でも他の不動産(例えばオフィスや商業施設)の賃料に比べてブレ幅(上昇下落幅)が少ないことが知られています。直近ではコロナ禍でも下落はほとんど見られませんでした。しかし、ブレ幅が小さいと言われる賃貸マンションにおいても、物件の賃料帯によっては、状況は異なります。一般的に、広い部屋(≒賃料の高い部屋)の賃料水準のブレは大きく、ワンルームマンションなどの小ぶりな部屋の方が、ブレが小さい傾向にあります。

部屋の広さと賃料|イメージ

都心の家賃30~50万円程度の高級分譲マンションの賃貸物件は、今は順調に需要がありますが、供給が増えてきているようです。たとえば、先に述べた物件のような例が今後増えてくると予想されます。ひとたび需給バランスが崩れれば、賃料の大幅下落の可能性も否定できません。

このように「賃料のボラティリティ」から考えれば、1億円の70㎡程度のファミリータイプの区分マンションに投資するよりも、2,500万円のワンルームマンションを4つ(=1億円)運用する方が、賃料がブレにくいということで、安定した投資と言えるでしょう。

ワンルームマンション投資の魅力

ここまで、賃貸用物件として、高級分譲マンションへの投資とワンルームマンションへの投資を比較すると、家賃相場も物件価格も「ブレ幅」に大きな違いがあります。
23年3月現在の状況をみれば、高級な中古マンション価格は、かなり上昇を続けていましたが、1月の首都圏の中古マンションは上昇が止まり、横ばい期に入ってきました。一方、ワンルームマンションタイプの物件も長期的に価格上昇していますが、タワーマンションに比べると、小幅な上昇です。

家賃は、ともに現在は安定していますが、この先仮に市況が悪化しても、単身向けは需要旺盛ですので、ワンルームマンションは、大きな落ち込みはないでしょう。
短期的なキャピタルゲインを狙うのなら、高級分譲マンションへの投資もいいかもしれませんが、ある程度の期間保有することを考えるならば、選択は、単身向けのワンルームや1LDKタイプ物件の方が賢明だと思われます。

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