2023年11月の不動産ニュース

日々、移り変わる不動産市場。
私たちにとって“情報”を理解し、
精査することは何よりの財産です。
ここでは不動産業界のニュースをお届けします。
※記載されている内容は、全て掲載時点のものです。
最新の内容とは異なる場合がありますのでご了承ください。

2023年11月

  • 2023.11.30

    東京23区の中古Mは平均5千万円に到達

    ―アットH、23区の新築戸建は前年割れ


    アットホームは28日、首都圏における10月の住宅の売り出し価格動向をまとめた。中古マンションの平均価格は3882万円(前年同月比0・5%増)で、前月比では0・3%増と、6カ月ぶりに上昇した。価格が高く戸数の多い東京23区は5043万円(2・7%増)と17年の調査開始から初となる5000万円台に到達した。首都圏の新築戸建の平均価格は4564万円(1・7%増)となり、前月と比べて0・1%下落した。前月比での下落は3カ月連続。

    アットホームラボの磐前淳子・執行役員は「首都圏でみると、中古マンションは横ばいや下落のエリアが多い一方、23区の都心部だけを切り出すと上昇が強く、全く違う動きになった。新築戸建は既に調整局面に入った」とみている。中古マンションの詳細は、横浜市・川崎市の3399万円(2・6%増)やさいたま市の3459万円(0・6%増)など5エリアが前年超えだったが、前月比では下落した。埼玉県他の2529万円(2・3%減)は、前月比の9カ月連続の下落に加えて前年同月比も2カ月連続で下落。東京23区と、神奈川県他の2623万円(3・5%増)は、前年同月比、前月比ともに上昇した。

    新築戸建は、東京23区の6717万円(0・4%減)を始め、神奈川県他の3990万円(0・9%減)、さいたま市の4388万円(0・2%減)、千葉県西部の4163万円(0・3%減)の計4エリアは前年同月を下回った。前年割れした中でも、神奈川県他は36カ月ぶり、千葉県西部は45カ月ぶりと、首都圏全体で価格の伸びの鈍化または下落という傾向への変化がみられた。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.29

    東急不ら、登戸駅前に450戸タワマン

    ―28日に都決、38階建て再開発ビル建設


    東急不動産と東急、小田急不動産、小田急電鉄が登戸駅前地区市街地再開発準備組合(井出正文理事長)と手掛ける「登戸駅前地区第一種市街地再開発事業」が28日付で川崎市に都市計画決定の告示を受けた。古い店舗や住宅などが集まっていた駅南側の約0・6haの土地に、地上38階建てで低層部に店舗などが入るタワーマンションを建設する。住宅の戸数は約450戸を想定。24年度の本組合設立、25年度の権利変換計画認可と着工、28年9月の竣工を目指す。

    施行地区は川崎市多摩区登戸90街区の一部。二つの都市計画道路が交差する角地で、用途地域は商業地域。再開発ビルの計画規模はRC一部S造地上38階地下2階建て。延床面積は6万3500㎡で、そのうち住宅部分は4万4000㎡。建物の高さは140m。約220台の駐車場を整備する。

    地上1~4階の一部に商業施設や子育て支援機能、観光補助機能を入れる。6~37階に住宅、38階にマンションの共用施設などを配置する。外側にせり出した低層部の4階屋上に多摩川を見渡せるテラスを設ける。登戸駅と再開発ビルの間に広場を設け、その上に歩行者デッキを渡す。

    再開発をめぐっては、19年10月に地権者らの勉強会が発足。21年4月に再開発の準備組合が作られた。昨年4月と6月に事業者らが説明会を開き、まちづくりの方向性や事業計画の概要などを示した。予定地は川崎都市計画事業登戸土地区画整理事業の区域内にある。区画整理事業の施行面積は37・2haで、再開発ビルを除き、26年3月の完成を予定している。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.29

    東急コミュ、横浜アリーナの管理を受託

    東急コミュニティーは、コンサートやスポーツ、コンベンションなどの会場となる多目的施設「横浜アリーナ」(横浜市)の建物総合管理業務を受託した。期間は24年4月1日から3年間。

    同施設はJR線や東急新横浜線などの新横浜駅から徒歩約5分の立地。規模は延床面積が約4万5800・46㎡、最大収容人数が1万7000人となる。同社は分譲マンションの管理やビル・施設マネジメントを行うほか、ホールなどの文化施設やスタジアムなどのスポーツ施設の管理なども行う。北海道・北広島の新球場を核としたエリア一帯「北海道ボールパーク Fビレッジ」の施設統括管理業務も受託している。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.28

    住団連、自民・住宅対策促進議連で要望

    ―ローン減税限度額引き下げは市場に痛手


    自民党住宅対策促進議員連盟(宮沢洋一会長)は27日に総会を開催し、住宅生産団体連合会を招き、24年度税制改正要望についてヒアリングを行った。住団連は、建築単価や長期金利の上昇傾向を背景とした住宅取得環境の悪化を踏まえ、取得促進策に関する措置の維持・延長を強く訴えた。また23年度末に適用期限を迎える住宅取得に係わる既存の税制特例措置の11項目について措置の継続を要望した。

    住団連は「ロシアによるウクライナ侵攻で経済情勢が大きく変化した。実質賃金の低下傾向が続き、住宅価格が高止まりのため、単身世帯や子育て世帯などで住宅取得が難しい状況となっている」と説明。また戸建て注文住宅の住宅ローンの平均借入金額は22年度で5473万円とし、20年度比で19%増と増加傾向にある。この状況下での住宅ローン減税の借入限度額の引き下げは、住宅市場に更なる痛手となるため、認定住宅やZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅の限度額の維持と継続を求めた。

    住宅ローン減税における床面積40㎡以上とする床面積要件の緩和特例(通常は50㎡以上)が23年末で切れることについては「住宅価格の上昇により、比較的規模の小さなマンションを求める傾向が強まっている」とし、面積要件の引き下げ措置の継続も要望した。

    加えて、既存住宅のリフォームに係わる特例措置について、子育てに対応した住まいのリフォーム工事を対象とした特例措置の追加を要望した。転落防止用の手すりや可動式の間仕切り壁の設置などが挙げられる。耐震化や長期優良住宅化などの既存リフォームに係わる特例措置の延長も求めた。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.27

    東急不、渋谷桜丘の再開発ビル30日開業

    ―貸床はほぼ満床、西側で次の開発構想も


    東急不動産が渋谷駅南西側の桜丘口地区に整備していた総延床面積25万㎡超の再開発ビル「渋谷サクラステージ」が30日に竣工する。同駅付近で初の分譲マンションやオフィス、店舗、ハイアットのサービスアパートメントなどが入る4棟構成の施設を段階的に稼働。店舗が出そろう来年7月26日に街開きを行う。渋谷の人気を反映し、賃貸面積10万㎡のオフィスは1年弱で95%が成約。店舗も同社持ち分の50区画は満床になった。駅周りでは最後の開発街区だが、開発地の西側で地権者らが新たな街づくりを目指す動きもある。

    桜丘口では高低差の大きい開発地をA、B両街区に分け、39階と30階建ての中核ビルを建設。駅と施設を縦横に結ぶ通路や歩行者デッキ、新改札口などを作り、駅前の回遊性を高める。完成したビルのうちオフィスや創業支援フロアなどを23日、報道陣に公開した。会見した星野浩明社長は「(再開発ビルの完成で)渋谷の多様性がさらに強まる。文化がつながり、周辺の圏域に染み出していく」と開発の意義を強調した。

    駅に近い39階建てビルのオフィスは8割の床をITや娯楽系の企業が使う。外資系は少なく大部分が日本企業。商業区画は販売を主目的としない体験型店舗が4割を占め、服飾店舗はない。総事業費は約2000億円。建築費高騰の前に工事などの発注を済ませた。

    渋谷駅周辺では12年に「渋谷ヒカリエ」、18年に「渋谷ストリーム」、19年に「渋谷スクランブルスクエア」と「渋谷フクラス」が完成。5街区目の桜丘口では98年10月に旧準備組合が作られ、四半世紀を経て「駅中心地区のラストピース」(星野社長)が竣工した。開発地西側に広がる約2・1haの区域でも18年12月に再開発準備組合が作られた。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.24

    不動産業界団体が行政に活発な要望活動

    業界団体による行政に対する活発な要望活動が、22日に実施された。東京都宅地建物取引業協会は桑原弘光会長が、全日本不動産協会東京都本部は中村裕昌本部長が、それぞれ小池百合子・東京都知事に対して24年度の「東京都予算等要望書」を提出した。

    都宅協は、空き家利活用に関する対策充実や、新規要望として「東京こどもすくすく住宅認定制度」の普及促進など4点を求めた。小池知事は「今年度から既存住宅の流通促進や空き家利活用への新しい支援を始めた。運用の改善や民間事業者の裾野を広げる取り組みを行う。また、子育ては関心の高い問題であり、認定住宅を都全域に広げていく」と話した。

    全日東京都本部は、災害に強いまちづくりの推進と、省エネ・再エネ住宅の普及促進を始め6項目を要望した。小池知事は「『TOKYO強靭化プロジェクト』で建築物の耐震化・不燃化へ財源を確保して進める。省エネ・再エネ住宅の普及に向け、住宅にも“燃費”があると宅建事業者が浸透させて欲しい」と語った。

    なお同日、全日本不動産協会の政治団体の全日本不動産政治連盟も要望活動を実施。中村裕昌会長と野田聖子・衆議院議員らが、国土交通省の國場幸之助・国土交通副大臣と宮沢洋一・自民党税制調査会長に要望を行った。二地域居住を促進する政策の実現に加え、固定資産税の負担調整措置や住宅ローン減税の延長など各種税制特例措置の延長・拡充を求めた。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.24

    全宅連、住宅政策の変更を国交省が解説

    全国宅地建物取引業連合会は20日に、住宅政策の24年の変更点を、国土交通省住宅局の担当者が会員に向けて解説するセミナーを開催した。住宅・建築物を売買や賃貸する際に省エネルギー性能を表示することが努力義務と位置付けられたことや、空き家の譲渡所得に関する3000万円控除の要件を拡充することについて講演した。セミナーの参加人数は698人。

    住宅・建築物の省エネルギー性能については、国交省の住宅局参事官(建築企画担当)付建築環境推進官の佐々木雅也氏が登壇した。また、空き家特例に関して、同省住宅局住宅総合整備課企画専門官の深田大寛氏が話した。全宅連は、1週間から10日ほどでセミナーのアーカイブ動画を公開する予定。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.22

    都心6区のみ中古M価格の強い上昇続く

    ―カンテイ、10月は首都圏でも下落傾向


    東京カンテイは21日、10月の中古マンション売り出し希望価格(70㎡換算)をまとめた。首都圏の価格は4760万円(前年同月比1・0%減)で前年同月を下回った一方、東京都は6433万円(0・4%増)で前年を僅かに上回った。都心6区に限定した価格は1億791万円(8・5%増)と強く伸び、調査では「都心部の『独り勝ち』の様相が鮮明化」とした。髙橋雅之・主任研究員は「東京都心部は、国内からの視点に限らず、国際的な都市との比較や成長力で高い不動産価値が認められている状況」と分析した。

    首都圏の他のエリアをみると、神奈川県が3680万円(1・5%増)、埼玉県が2996万円(0・6%増)、千葉県が2749万円(2・4%増)と1都3県の全てで前年を上回った。一方で、首都圏全体の平均が前年割れとなった理由は、価格の高い東京都の売り出し事例が、首都圏の中で相対的に減少したため。髙橋氏は「都心の価格が一本調子で上昇する環境下となり、実需はそれ以外の地域や、賃貸に居住する選択を取ることが増えた」とみている。

    主要都市別では、東京23区の7132万円(2・3%増)、横浜市の3824万円(1・0%増)、さいたま市の3812万円(2・4%増)、千葉市の2471万円(3・0%増)は、いずれも前年超えと上昇した。東京23区の中でも、都心6区が前年より強く伸びた一方、城南・城西6区の6937万円(2・6%増)は前月とほぼ同じだったことに加えて、城北・城東11区の5306万円(0・8%減)は前年、前月をともに下回る価格となった。なお、大阪市は3867万円(1・5%減)、名古屋市は2755万円(0・8%減)といずれも前年割れだった。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.22

    改正空家法、施行日は12月13日に決定

    政府は6月14日公布の改正空家対策特措法について、施行日を12月13日と決定した。改正法により、放置すると周囲に悪影響を及ぼす特定空家等になるおそれがある「管理不全空家等」の区分を創設。管理不全空家等と市区町村から勧告を受けると、固定資産税の住宅優遇措置が解除される。空き家の相談窓口となる「空家等管理活用支援法人制度」や、空き家の建替えや改修をエリアを限定して進める「空家等活用促進区域」の創設も盛り込まれている。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.13

    住金機構、子どもの人数に応じ金利優遇

    ─経済対策で新メニュー「子育てプラス」


    住宅金融支援機構は、子どもの人数に応じてフラット35の金利を引き下げる「フラット35子育てプラス」(仮称)を開始する。11月2日に閣議決定された経済対策で示された施策の一環。「子育てプラス」の開始に合わせて金利引下げ制度の全体も見直しも行う。家族構成、住宅性能、管理・修繕、エリアの4つのグループから、世帯に合った条件を選ぶことでポイントが加算されていく形となる。

    子育てプラスの対象は、申込時に子どもがいて、申込年度の4月1日時点で子どもの年齢が18歳未満である「子育て世帯」(胎児も対象)と、申込時に夫婦で、申込年度の4月1日時点で夫婦のいずれかが40歳未満の「若年夫婦世帯」。子どもの人数は、申込時点の人数が基準。申込後に子どもが増えても変更はない。ただし、申込みから融資実行時までに妊娠が分かった場合のみ、申込内容の変更を受け付ける。子育て世帯の新たな住宅取得を支援するものであり、既にフラット35の借入を行っている世帯は対象外。

    具体的な金利引下げは、4グループに設定されたメニューを各グループ1つまで選択し、ポイント(P)を合計して決める。例えば新たな子育てプラスで創設された「家族構成」のグループは、若年夫婦は1P、子ども1人(1P)~3人(3P)、子ども4人以上は人数に応じてポイントを加算する。子ども3人世帯(3P)が地域連携型(子育て支援)を利用できるエリア(2P)でZEH(3P)かつ長期優良住宅(1P)を取得する場合、合計9Pとなり、その場合「当初10年間は年1%引下げ、11~15年目は年0・25%引下げ」が適用される。国会で23年度補正予算が成立した後、機構が周知する日の資金受取分から適用する。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.13

    中古M・戸建ともに成約件数が前年超え

    ―東日本レインズ、10月の首都圏市場動向


    東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は10日、10月の不動産流通市場動向を公表した。首都圏の中古マンションの成約件数は3287件(前年同月比7・0%増)だった。成約㎡単価は74・55万円(7・4%増)、成約価格は4765万円(8・4%増)で、上昇がそれぞれ40カ月以上連続で続いている。中古戸建住宅は、成約件数が1220件(0・7%増)となり、22カ月ぶりに前年同月を上回った。成約価格は3947万円(5・9%増)で、9月に続いて2カ月連続で前年を上回った。

    中古マンションの新規登録件数は1万7036件(3・6%増)、在庫件数が4万6312件(14・9%増)だった。新規登録㎡単価は72・15万円(1・1%減)、在庫㎡単価も72・37万円(1・9%減)だった。エリア別にみると、成約件数は東京都多摩の284件(0・7%減)と千葉県の369件(2・6%減)が前年割れだった一方、東京都区部の1490件(9・1%増)を始め4エリアは前年超えだった。成約㎡単価では、東京都区部が107・29万円(4・1%増)だったほか、9月は前年割れだった埼玉県が42・36万円(5・9%増)で前年超えに転じるなど、全エリアが前年より上昇した。

    中古戸建住宅の新規登録件数は6245件(23・4%増)、在庫件数が1万9443件(37・7%増)。エリア別の詳細で、東京都区部は230件(12・2%増)、横浜市・川崎市の182件(15・9%増)などは前年を上回った。成約価格は東京都区部の6666万円(8・8%増)が7カ月ぶりに前年超え。横浜市・川崎市の4942万円(14・6%増)と千葉県の2559万円(0・7%増)も前年を上回った。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.13

    三幸、東京都心の空室率・賃料ほぼ横ばい

    三幸エステートは10日、10月末時点の全国主要都市におけるオフィス需給動向を公表した。東京都心5区の大規模ビルは、空室率が5・14%(前月比0・07㌽減)と小幅に低下した。共益費込の募集賃料は、坪当たり2万8027円(27円減)だった。

    エリア別の詳細をみると、渋谷区の空室率は20年9月以来に2%を割って1・90%まで低下した。今関豊和チーフアナリストは、渋谷駅周辺を始めとしたエリアについて「立地条件等と賃料水準のバランスが良好な既存ビルには品薄感が漂っている。新築ビルや建築中ビルへの引き合いも強く、エリア外からの流入もみられ、需要は非常に堅調」と分析した。

    他の区の空室率は、千代田区が2・29%、新宿区も3・93%だった一方、新規供給が集中する港区は8・20%、中央区は前月より低下したが6・20%だった。募集賃料は、坪当たり2万8000円前後の横ばい推移が続く。募集状況が改善したビルの一部に賃料を引き上げる事例もあるが、空き床を抱えるビルなどでテナント誘致へ条件を見直す動きが続いている。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.10

    東京の10月のオフィスは空室率が横ばい

    ―三鬼と地所リアル、中央区は空き床増加


    三鬼商事と三菱地所リアルエステートサービスは9日、10月のオフィス需給動向をまとめた。三鬼商事によると、都心5区における基準階面積100坪以上の主要オフィスビルの空室率は6・10%(前月比0・05㌽減)だった。平均募集賃料は、坪当たり1万9741円(9円減)となり、39カ月連続で前月より下落した。地所リアルの主要7区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、品川区、江東区)における延床面積3000坪以上の賃貸オフィスビルの空室率は、6・55%(0・01㌽減)だった。平均募集賃料は、坪当たり2万7167円(171円減)だった。

    10月の両社の調査をみると、中央区で空室率が上昇した。三鬼商事は7・30%(0・61㌽増)で、「拡張に伴う成約の動きがあった一方、大規模な募集開始の影響」が出たとみている。地所リアルによると8・23%(0・97㌽増)。「人形町・水天宮エリアにおいて大型空室が募集に出た」ため、大きな上昇につながった。中央区の平均募集賃料をみると、三鬼商事が坪当たり1万8023円(37円減)、地所リアルでは2万3463円(722円減)だった。

    三鬼商事の調査では、中央区を除いた4区は空室率が低下した。千代田区で3・30%(0・19㌽減)、港区が8・93%(0・17㌽減)、新宿区では5・07%(0・21㌽減)、渋谷区で3・85%(0・27㌽減)。

    地所リアルの調査は、空室率が小幅に低下したエリアが多かった。千代田区では2・82%(0・03㌽減)、港区で8・98%(0・16㌽減)、新宿区が7・61%(0・45㌽減)、渋谷区の3・20%(0・04㌽減)、品川区で7・19%(0・01㌽増)、江東区は7・42%(0・39㌽減)。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.07

    首都圏の物流施設の空室面積1年で倍増

    ―CBRE、需要堅調だが新規供給23万坪


    シービーアールイー(CBRE)は、全国の大型マルチテナント型物流施設の23年第3四半期(3Q、7~9月期)の需給動向をまとめた。首都圏の物流施設の空室率は8・9%(前期比0・7㌽増)だった。3Qは10棟で23・4万坪(1万坪減)の供給があり、8棟で空室を残して竣工した。実質賃料指数は坪当たり4520円(0・2%増)に上昇した。新規の供給が需要を上回り、首都圏の空室面積は前年同期より倍増して約55万坪だった。

    3Qの需要は17・1万坪と昨年の四半期平均の12・2万坪を上回る水準で、堅調が続いている。各地の空室率は、東京ベイエリア13・6%(8・9㌽増)、外環道エリア2・8%(0・2㌽増)、国道16号エリア8・2%(0・1㌽増)、圏央道エリア14・3%(0・6㌽増)だった。新規の需要は物流会社による契約が中心で、1棟借りのケースも複数あり、館内増床や大きな床面積の契約もみられた。取り扱い荷物は宅配便やEC関連を始め、多くの種類があった。築1年以上の既存施設の空室率は2・1%(前期比同じ)で横ばい。約55万坪の空き床のうち、この1年で供給の多かった神奈川県と茨城県で特に増加した。賃料は、高水準の新規物件の供給が平均を引き上げた。また、国道16号沿いの埼玉県や東京都下は上昇した一方で、茨城県を中心に圏央道の外側では弱含んだ。

    近畿圏の空室率は4・5%(1・3㌽増)へ上昇した。主に、新規供給の3棟が空き床を残して竣工したことが影響した。ただし、リーシングは各地で進み、既存施設の空室率は0・5%(0・1㌽減)だった。賃料は、3600円(0・3%減)と若干の下落だったが、エリアによっては上昇傾向がみられた。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.07

    東急コミュ、BELS認証取得を支援

    東急コミュニティーは、中古オフィスビルのZEBやBELS認証取得を支援するツールを商品化した。オフィスビルで通常の建物・設備点検では行われない分析調査を行い、1枚のシートに見やすく調査結果をまとめてビルオーナーに提示する。現状の省エネルギー性能を診断することで、ZEBやBELS認証取得へ適切な提案・支援を行い、ビルの安全性と建物資産価値の向上を目指す。管理会社として建物に携わってきたこれまでの豊富な知見を生かして、BELS認証の資料作成や手続きを内製化しており、ワンストップでサービスを行う。まずは首都圏で管理するビルのオーナーに提案していく。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.06

    住宅・不動産業界団体が24年度税制要望

    ─自民党、ローン減税と固定資産税焦点に


    自民党は2日、党本部で24年度の予算・税制等に関し、住宅・不動産団体から要望を聴取した。来年から縮減される住宅ローン減税制度の借入限度額の現行維持、土地固定資産税の負担調整措置(負担水準を60~70%に据置く措置等)の延長を求める声が相次いだ。

    全国宅地建物取引業協会連合会は、現行の住宅ローン減税の住宅の環境性能に応じた借入限度額の上乗せ措置と、床面積要件の緩和特例(40㎡)を24年以降も延長することを要望の第一に掲げた。全日本不動産協会も、住宅ローン減税の借入限度額維持や、二地域居住を推進するための二戸目住宅用低金利ローン創設などを求めた。

    不動産協会は、住宅ローン減税制度の24年からの縮減が、子育て世帯の住宅取得予算にどの程度影響するか試算。物価高騰が今後も続く前提かつ同制度が予定通り縮減となった場合、住宅取得予算額は最大684万円減少するとして、現行の維持を強く求めた。また、固資税の負担調整措置も継続を要望。地方でも影響は大きいとして、廃止の場合、固資税・都市計画税額が20年比34%増になる広島市の事例を示した。

    住宅生産団体連合会は、経済対策要望として住宅取得支援策「こどもエコすまい支援事業」の継続などを要望。税制は、24年からの住宅ローン減税縮減が、ロシアのウクライナ侵攻前に決定されたことに言及。既に決定されている政策の変更の要望は異例としつつも、現行の借入限度額の維持を強く求めた。

    このほか要望を行った団体は以下の通り(関係分・発表順)▽全国住宅産業協会▽不動産証券化協会▽不動産流通経営協会▽日本ビルヂング協会連合会▽全国賃貸管理ビジネス協会。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.02

    住金機構、融資額の上限引上げを検討

    ─40年超ローンの新商品も開発、PT発足


    住宅金融支援機構は、「フラット35」の融資上限額を、現在の8000万円から引き上げる方向で検討に入った。実現すれば、05年以来の引上げになる。住宅価格の高騰が止まらず、現行のままでは所要資金額を十分にカバーしきれないという懸念が強まっていることが背景にある。住宅業界団体からも引上げの要望を受けており、主務省の国土交通省とも相談を始めた。

    住宅価格の高騰は首都圏で顕著だ。東京23区内では新築マンションの価格が23年4~9月の平均で1億572万円(前年同期比36・1%増、本社調べ)になった。民間大手行でも融資上限額は上昇傾向にあり、3億円を上限とする金融機関も出ている。融資上限額の引上げについて機構は「フラット35は民間金融機関と提携して提供する住宅ローン。民間金融機関の動きも踏まえながら、ニーズの把握や引き上げた場合の影響も含め、幅広く検討していく状況にきている」(経営企画部広報グループ)との認識を明らかにした。

    独立行政法人の立場上、民業圧迫を避ける必要があり、具体的な引上げ額や実施時期の設定には慎重な姿勢で臨む方針。

    また、返済期間40年超の超長期住宅ローンの開発のため、8月からプロジェクトチーム(PT)を立ち上げたことも分かった。超長期ローンとしては返済期間50年の「フラット50」があるが、これは長期優良住宅に限定したもの。長期優良住宅でなくても対象になる商品を開発する。30歳代以下の若年層の良質な住宅取得支援が目的。若年層の返済資力が低下していることを考慮し、返済期間は長くても月々の負担が軽減されるものを目指す。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.02

    マンション市場での新築シェア23・3%に

    ―カンテイ全国調査、中古の流通戸数増で


    東京カンテイは1日、23年第3四半期(3Q、7~9月期)のマンション市場の調査結果をまとめた。新築と中古を合わせたマンション市場規模は、4兆9620億2600万円(前年同期比21・7%増)となり、10期連続で前年同期を上回った。内訳は、新築マンションが1兆1552億9400万円(4・9%増)、中古マンションは3兆8067億3200万円(27・9%増)。全体に占める新築マンションのシェアは23・3%だった一方、中古マンションの流通戸数は増加して価格が上昇しているため、東京カンテイは「中古マンションの市場規模が全体の8割を占め始めるまでにはさほど時間がかからないとみられる」とした。

    全国の新築マンションの供給戸数は、1万7046戸(13・5%減)だった。一方、中古マンションの流通戸数は11万325戸(25・3%増)と前年を大幅に上回り、全国の市場総戸数は12万7371戸(18・2%増)だった。首都圏市場の内訳は、新築供給戸数が8279戸(0・2%増)、中古流通戸数は5万4481戸(26・2%増)となり、市場総戸数で6万2760戸(22・0%増)だった。

    平均坪単価を首都圏市場でみると、新築が前期より15・7%増と大幅に上昇して435・0万円だった。東京都のシェアが62・6%と過半数まで増えたことが影響したほか、物価高に加えて円安進行により海外からの投資マネーが流入しやすい環境で、価格上昇の圧力が強いとみている。一方、中古マンションは226・2万円で前期を0・7%下回った。前期割れは13期ぶり。築年数別でみると、築20年以内は上昇傾向だったが、築20年を超える物件の価格が弱含んだ。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.01

    24年通常国会に都市緑地法の改正法案

    ―国交省、国の都市緑地基本方針を策定


    国土交通省は、まちづくりGXを進めるため、都市緑地法を改正する方針だ。都市緑地に関し国の基本方針を定めることや、良質な都市緑地を創出・保全する民間事業の評価制度の創設、地方自治体に代わって特別緑地保全地区の買入れを一手に引き受ける「都市緑地法人」の創設などが改正の主な柱。24年通常国会に改正法案の提出を目指す。

    気候変動対応や生物多様性の観点から都市緑地の重要性が高まり、質・量とも確保することが求められるようになった。一方、緑地に関する国の方針は94年の「緑の政策大綱」(建設省決定)から30年が経過しつつある。緑地の保全と緑化推進の意義や目標、緑地はどうあるべきか、発揮すべき緑地機能などをまとめ、国の基本方針として都市緑地法に位置付ける。

    都市に緑地を生み保全する民間事業の評価制度も都市緑地法に基づくものとする考え。評価機関を国が指定し、新たな審査基準で評価。評価を周知することで更なる民間投資を呼び込むことがねらい。土地所有者から自治体に買取請求のあった「特別緑地保全地区」(開発されないよう強力な行為制限を課す地区。指定されると所有者は自治体に買取請求ができる)を、財政の厳しい自治体に代わり買い入れる都市緑地法人の創設も改正案に盛り込む。24年度概算要求で都市緑地法人の緑地買入れ事業に26・8億円を要求している。

    都市緑地法の改正に合わせて、都市計画法の都市計画を定める基準(13条)について、緑地の位置付けを向上するための改正も検討する。改正案が通れば、都市緑地の基本方針の策定、緑地評価制度の開始、都市緑地法人の創設は全て24年度中に実現する見通し。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.01

    新築マンションの価格は年収の約10倍に

    ―カンテイ、東京は新築・中古とも14倍台


    東京カンテイは10月31日、22年のマンション(70㎡換算)の価格を各都道府県の平均年収で割って算出した「年収倍率」をまとめた。全国平均で、新築マンションは9・66倍(前年比0・73㌽増)と10倍近くまで拡大した。築10年の中古マンションも7・27倍(0・73㌽増)に拡大した。最も年収倍率の高かった東京都では、新築は14・81倍(0・12㌽増)、中古が14・49倍(1・14㌽増)で、ともに14倍台に達した。

    新築マンションの調査では、「全国的に平均年収が低下する中でも圏域を問わず高額な物件の供給が続いた」とみており、多くの地域で拡大傾向だった。首都圏の新築の年収倍率は12・47倍(1・18㌽増)で、東京都に加えて神奈川県の12・42倍(2・37㌽増)と埼玉県の12・38倍(1・34㌽増)も大幅に拡大して全国で五指に入る高水準だった。中古マンションでも、神奈川県が10・43倍(2・68㌽増)、埼玉県で10・87倍(2・75㌽増)へ上昇して10倍台まで到達した。また、近畿圏も同様の傾向で新築マンションが10・93倍(1・07㌽増)に拡大した。特に京都府は13・66倍(2・07㌽増)と全国2位で、大阪府も12・45倍(0・88㌽増)の全国4位だった。中古マンションも近畿圏で8・45倍(1・23㌽増)へ拡大。京都府が11・35倍(2・34㌽増)、大阪府で10・45倍(2・12㌽増)となり、2府の拡大が近畿圏の数値を牽引した。

    新築では10倍に達したエリアが、全国で13地域となり、前年より4地域の増加だった。沖縄県の11・59倍(0・56㌽減)などは縮小し、青森県の11・26倍(前年同じ)は横ばいだったが、北海道の10・98倍(1・86㌽増)や石川県の11・14倍(1・70㌽増)などで拡大がみられた。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2023.11.01

    東京オフィス、全グレードの空室率上昇

    ―CBRE、割安感で既存ビルは空室消化


    シービーアールイー(CBRE)は、オフィスの第3四半期(3Q、7~9月期)の需給動向レポートを公表した。東京の全グレードの空室率は5・2%(4~6月期比0・3㌽増)だった。新規供給のビルに空室を残した影響が表れた。新築に比べて賃料の割安感がある既存ビルでは空室消化が進み、新築ビルの空室が目立つ傾向。想定成約賃料は、東京の全グレードで坪当たり2万1270円(0・1%減)だった。

    東京のグレードAビルの空室率は、6・6%(0・9㌽増)だった。グレードAの新築ビル2棟が空室を抱えて竣工したことが主因とみている。一方で、全グレードで築1年以上の既存ビルでは、グレードアップや立地改善、建て替えによる移転などでまとまった空室が消化されたとみている。既存ビルに限った空室率は4・0%で、全体を1・2㌽下回った。1年前の22年3Qは、全体の空室率4・9%に対して既存ビルの空室率は4・3%と差は0・6㌽だった点と比較して差が拡大しており、「空室が新築ビルに偏在する傾向を示唆している」とした。

    賃料でみると、東京のグレードAビルは前期から横ばいの3万4550円(前期比で同額)だった。20年2Qから続いた賃料の下落に一服感が出たとみている。「賃料を引き下げるビルは減っている上に、空室消化が進んだビルでは、賃料を従前の水準に上げ戻す動きが増えている」と分析。ただ、グレードB未満の中小型ビルでは、テナント確保に向け賃料引き下げの動きが多いため、全グレードでは若干の賃料下落につながった。新築の大型ビルで空室が残った竣工があることで、賃料に下押し圧力が働く傾向は続くと予想。今後も当面は若干の弱含みの推移を見込んでいる。

    (提供/日刊不動産経済通信)