Livable Archive 01
取引事例 2024.07.31
調査難易度が極めて高い建築物
眼前に広がるオーシャンビューとレトロな趣で人気を博す、歴史あるリゾートホテル。客室は海上にせり出し、いくつもの施設が山の上に向かって連なるように建築されている。そのホテルの売却が決まった。
不動産売買を進めるにあたってまず必要なのは、対象となる物件の状況を正しく把握するための調査だ。しかし、5万㎡を超える敷地には、宿泊棟だけでなく、食堂、スパ、遊戯施設など多くの建物が並び、それらはトンネルや渡り廊下でつながっていて、物件の全容を把握するのも難しい。測量図面は現存しておらず、唯一無二の魅力である特殊な地形とそれを生かした複雑な設計構造がさらに調査の難易度を高めていた。
その物件調査の依頼が東急リバブルに舞い込んだ。個人向け住宅仲介のイメージが強い東急リバブルだが、実は業界に先駆けて法人向け不動産の専門部署を立ち上げ、実績を重ねている。投資用・事業用不動産の売買に関連するさまざまな業務を受託する中、長年の経験が決め手となり、この高難易度の調査を任されることになった。
すべての関係者にわかりやすく
複雑な地形・構造を有する対象物件を正確に理解する。そのために、不動産調査の専門チームが法務局資料や設計図書を精査し、現地実査を重ね、境界状況の把握を進めた。築60年以上経過しており、開発経緯も不明確だったため、行政や所有者が保管する資料を収集して整理し、リスト化した。
現地実査は１週間をかけて行われた。実際に足を運ぶと、登記されていない施設も数多く存在し、建物数は全体で20棟をはるかに超えていた。それらをすべて航空写真に落とし込んでビジュアル化し、物件概要書や重要事項説明書と合わせて納品。関係者全員が理解を深めるのに大いに役立った。その後、売買契約は円滑に進み、ホテルは新たな所有者のもと、現在も地域のランドマークとして存在感を放っている。
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