遊休地など十数物件を期日内に売却。希望条件に応じた売却手法で利益最大化を実現
#老朽化・遊休資産
#全国
#評価・調査
さまざまな理由で利用されず遊休化している不動産は全国で増えている傾向にあり、企業が所有する遊休不動産の問題は深刻化しています。しかし、山林など流動性の低い資産は、希望条件での売却が難しい場合もあります。
今回ご紹介するのは、遊休地を含めた複数物件の売却と東急リバブルによる買取で、期日内の売却と売主様の利益最大化を実現した事例です。東急リバブルのリソースを活かした柔軟な対応によりお客様の課題を解決した経緯について、法人営業第一部 長谷川 彰光が回答します。
目次
【取引概要】
- 取引対象:工場、土地、山林、リゾート区分マンション等の十数物件
- 物件所在地:全国
- 売主:事業法人(製造業)
- 買主:宅建業者、東急リバブル等
- 依頼背景:長年保有している遊休不動産を、大型物件の売却タイミングに併せて期日内に売却したい
1. 遊休化している不動産を処分できずにいた
――今回のお取引の経緯は?
売主様は製造業を営む法人で、M&Aにより全国各地に不動産を保有していましたが、本業以外の不動産が大半で遊休化している状況でした。
工場や土地も含まれているものの半数程度は数千坪規模の山林です。こうした遊休不動産は流動性が低いことから、個別売却をすると売却先が見つからないのではとの懸念をお持ちでした。
そこで、売主様は「流動性の高い物件を売却するタイミングであれば併せて売却できるのではないか」と考え、当社を含め複数社に声をかけ、売買仲介の委託先を決めるためにコンペを実施することになったのが始まりです。
また、売主様の希望条件で最も重要だったのは、期日内に全ての物件の売却を完了することです。この点が提案内容を検討するうえで重要なポイントとなりました。
2. 売買仲介と東急リバブルによる買取で期日内売却を提案
――コンペではどのような提案を行った?
売主様は提案依頼にあたり、複数の不動産を一括売却するバルク売却を想定していらっしゃいました。バルク売却は、流動性が低く、単体では売却が難しい不動産や単体で高く売却できる物件などをまとめて売却できるというメリットがあるためです。
一方、全てまとめて購入できる検討者は限られるため、結果的に買い手がつかないというリスクを排除することができません。
また、購入者が将来再び売却する場合に売れ残った際のリスクも考慮した査定価格になるため、個別に売却する場合よりも総額が低くなってしまう傾向もあります。
こうしたデメリットを踏まえ、当社は期日内かつ高値で売り切るために、入札形式での個別売却を提案しました。加えて、個別売却では流動性の低い不動産に買い手がつかない可能性があるため、東急リバブルによる買取と使い分けることで全て売り切る、というお約束も含めた提案です。
この東急リバブルで買取ができるという点も評価され、当初の与件から数件追加した十数物件を当社に委託していただけることになりました。
3. 買い手ネットワークを活かし、一部買取も含め期日内に全物件を売却
――売却をどのように進めた?
まず対象不動産を3エリアに分けて専属担当者をつけ、物件ごとに責任を持って営業する体制を整えました。あわせて、地方を専門に扱うチームとも連携し幅広く買主を探索しました。
今回のように山林などの遊休地が多く含まれる場合、アプローチ先の数を増やすことが重要です。そこで、過去の取引先をはじめ、1物件あたり数百件の候補へ営業活動を行いました。
物件所在地の周辺エリアだけでなく隣接するエリアも含め、宅建業を営む会社はほとんど網羅するようにアプローチしたと思います。
並行して、当社が不動産会社様向けに展開する会員制の物件情報提供サービス「広域Navi」でも情報発信し、そこからも問合せをいただきました。
最終的に、当社による数件の買取を含め、期日内に全て売却することに成功しました。
4. 成功の鍵は、柔軟な提案とそれを叶える対応力
――今回の事例の成功要因は?
最大の成功要因は、高値での売却が可能な個別入札を行い、かつ、個別売却と当社による買取を使い分けるという柔軟性のある対応ができたことです。
この対応により、売主様にとって最重要である期日内での売却を叶え、かつ利益最大化を実現できました。
また、買い手探索と売却手続きにおいては、各部署の連携とマンパワーの活用が円滑な進行を可能にしたと思います。
なお、個別売却の入札幹事を務める上で、十数件もの物件調査や契約書類の作成が必要となりましたが、調査査定の専門部門との連携で各案件を同時に進行することができました。
今回の取引に限りませんが、不動産に詳しくない売主様にも終始安心して任せていただける体制で進行できたこともポイントです。
5. 東急リバブルはあらゆる不動産の売却・買取相談に対応
――遊休地を含む売却で、留意することは?
手つかずの遊休不動産を売却するには、各物件の評価額と希望の売却期限を考慮し、売却方法を慎重に検討することが重要です。
今回の売主様が想定されていたバルク売却は、流動性の高い物件と併せて遊休不動産も売却できる可能性があります。しかしその一方で、総額が下がってしまう、または買い手がつかないリスクも排除できません。
東急リバブルでは、他社でのお取り扱いが難しいような不動産でも、買取など幅広い選択肢でお力添えできる可能性があります。
あらゆる不動産種別かつ全国に対応しており、不動産のプロとして、契約に係る手続きもサポートできるのが強みです。
また、豊富な取引先へのアプローチと社内連携により、売主様の利益最大化に向けた最適な選択を可能にいたしますので、不動産に関する課題をお持ちでしたらまずはご相談ください。