不動産の真の価値を見いだし全国169物件の売却に成功
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2018.09.10
北海道から九州まで全国169カ所に点在している不動産をすべて売ってほしい―。そんな依頼が東急リバブルに舞い込んだのは、2015年末のことだった。前代未聞のこの案件を、東急リバブルは情報力と組織力、そしてマンパワーをフルに発揮して見事にすべて売り切った。
全国ネットワークで
不動産情報を熟知
UIGアセットマネジメント
投資運用部
シニアマネージャー
清水 利幸
この案件を東急リバブルに依頼したのは、不動産の投資運用を主力とするUIGアセットマネジメントだ。全国に169ある物件は、すべて同じ大手メーカーの販売拠点や整備工場などとして利用している。
売主であるUIGアセットマネジメントの清水利幸氏は、東急リバブルに依頼した理由をこう話す。
「この案件は投資家に人気のある大都市圏だけでなく、北海道や東北、四国など各地に物件が点在しています。東急リバブルは全国にネットワークがあり、地方の物件も売り切ってきた実績があります。全国の不動産情報を熟知するのはもちろん、どんな物件でも売り切る組織力やマンパワーがあるのでしょう。そのため、われわれが目標とする価格で売り切ってくれると考えました」
とはいえ、一般的に投資用不動産と言えば、オフィスビルやマンション、アパートが主流。さすがの東急リバブルも、整備工場を併設した店舗や事務所を扱った例は少なかった。しかもそれが169もあるのだ。この案件を指揮した東急リバブル・営業統括部・投資営業第一部長の春原昌明氏は言う。
「駅から離れた幹線道路沿いにある物件が多く、1物件当たりの面積が平均で9000平方メートル近いかなりの大型物件です。物件の売却難易度は相当高いと言わざるを得ませんでした」
そこで同社は、過去の似た案件を精査し、地方の投資家を主要なターゲットに定め、エリアごとのバルクセールスを軸に、単独での売却も並行して進める戦略を提案。清水氏はこの戦略も高く評価した。
「169物件もあると、バルクセールスだけでは必ず売れ残りが出てしまいます。そのため単独での売却も不可欠となりますが、地方物件の単独売却は非常に手間がかかり、泥臭い営業活動が必要になります。しかし、東急リバブルは350人の大部隊でフットワークも軽い。この売却戦略を聞いて、東急リバブルなら、必ず全部売り切ってくれると確信しました」
だが、営業活動は困難を極めた。まず難渋したのが、200ページにも及ぶ賃貸借契約書だ。もともと、この物件は外資系不動産ファンドが所有していたため契約書の原本は英文。もちろん和訳もあったが理解しにくい文面で、契約書を正確に把握するだけでも時間がかかった。
「そもそも対象となる販売店や整備工場の不動産としての価値をどうとらえればいいのかという議論も必要でした」。こう話すのは、東急リバブル・営業統括部・投資営業第一部営業グループ(A)のチームリーダー、本多由知氏だ。
「そこで私どもは、この物件は不動産だけでなく社債のような性格があると結論づけました。つまり、不動産という安定的な資産であると同時に、テナントである大手メーカーの与信力がある社債のような二つの性格があると。そうした投資物件としての魅力を買い手に理解していただければ、必ず売れるという自信が生まれました」
全国100行以上の
地銀・信金を行脚
不動産の真の価値が見えれば、あとは買い手を探すのみだ。東急リバブルは全国の地方銀行および信用金庫を行脚した。その数は、実に100行以上。地銀や信金はそれぞれの地盤にいる資金力のある顧客を最もよく把握しているし、買い手に対しての融資元にもなる重要な存在になるからだ。
だが、買い手となる投資家や金融機関からは懸念が出ることも考えられた。賃貸借契約の期間満了まで数年だったため、テナントである大手メーカーが契約を解約する可能性があったからだ。それを見越して、UIGアセットマネジメントは長期の賃貸借契約への切り替えを提案。同意を得ることに成功した。
「長期の賃貸借契約となったことで収益不動産としての価値が高まり、売買契約の成立が一気に加速しました。投資家や銀行からは、そのほかにもさまざまな質問が寄せられましたが、契約書を丁寧に解釈したかいがあって安心して検討、契約いただくことができました」(春原氏)。
何しろ物件そのものの数が多く、それも全国にわたるため現地内覧から契約交渉、引き渡しなどの買い主への対応も困難を極めた。しかし8月、ついに169件すべての物件の売却に成功した。清水氏は「なかなかほかではできないこと」と、あらためて東急リバブルを評価する。
一つひとつの物件の特性をとらえて最適な買い主へ売却する。それを全国レベルで対応できる企業は少ない。東急リバブルならば、企業が持つさまざまな不動産の課題に最適解を見つけ出してくれそうである。
※所属部署名、役職はインタビュー当時のものです。